新しい恋


 ウブな女の子でもないのにと思う。仕事に夢中で、気づいたらこの歳になっていた。最後に付き合っていたのは大学生の時で。その時は当たり前に手を握ってデートしていたのに、今じゃどうしていいか分からない。

 4つ年下の仲西君に好きと言われた。反射的に、頷いてしまった私は無責任だと思う。

「プライベートくらい、名前で呼んでもいいよね?」

 無邪気に彼は言う。

「さゆり」

 素直に言われて顔が熱い。どうやら、私の新しい恋はすでに始まっていたようで。


 



「あ、仲西先生と織田先生、付き合ってたの?」

「まぁね」

「いいなぁ、先生たち可愛いー」

 普通に話さないで。少しは隠して。生徒の前でやめて!






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第41回Twitter 300字SS参加作品。

テーマ「新しい」でした。

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