満開!ブラスガーデン♪ 〜夕空に咲いたハーモニー〜

作者 鉈手ココ

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★★★ Excellent!!!

オレンジ色の夕焼け空、山に囲まれた町並みに鳴り響く優しい音色。

ありさは見つけた。

大切な仲間と、みんなを包み込む翼を。

恥ずかしがることはない。
臆することもない。

誰の心にも美しい花は咲き、誰の背にも音と言う名のそれぞれの翼があるのだから。

花小ブラスバンドはフリューゲルホルンとともに、大舞台で翼を羽ばたかせる。

★★★ Excellent!!!

たくさんの個性が閉じ込められた小学校の教室で、
皆さまはどのような幼少時代を過ごされましたか。

友人と触れ合うことの喜びや嬉しさ。
あるいはすれ違ってしまうことの寂しさや葛藤。
なけなしの勇気を振りしぼって新しい一歩を踏み出す達成感と、
どこまでいっても両親の保護下を抜け出せない焦りと。

そういったノスタルジックな感傷と感動が、
この小説には宝石箱のように詰められています。
本作は、思わず心が洗われるような美しい物語なのです。

2つとない私たちの感性は、もともと何処からやってきたのか。
この物語で描かれる花小ブラスバンドの皆の姿を追っているうちに、
私は自然とそんな気持ちになりました。

どんな匂い。どんな声。どんな音。どんな風景。
そしてどんな背中に導かれて、今ここに生きているのか。
「ひとりぼっち」では知りえなかったことが、
両手に溢れているのだと気付かされる想いでした。

彼らは、彼女たちは、音楽を見つけました。
私はきっと、言葉を見つけたのだと思います。

振り返って、目を閉じれば──。
あなたと世界を繋ぐものが、きっと見つかるはずです。

そう願いながら、この物語を強く推薦させて頂きます。

★★★ Excellent!!!

主人公は都会から田舎へと引っ越してきた少女、ありさ。
彼女はスーパーの帰り道、フリューゲルホルンの演奏を耳にします。
それが少女とフリューゲルホルンという楽器、
そしてブラスバンドとの出会いになるのです。

ありさが転校した小学校の音楽室は、なんと庭園が隣接しています。
たくさんのバラを育てているこちらの庭園で練習することもあるという、
羨ましいほど素敵な舞台で物語は進んでいきます。

音楽は、聞く分には各々好きに楽しめばいいのですが、
演奏するとなると、様々な困難が待ち受けています。
集団で音楽を奏でる難しさだけではありません。
少年少女は、自分自身が抱える問題にも向き合わなければなりません。
演奏をするとは、そういうことなのです。
そしてありさたち小学生のブラスバンドは、音楽と向き合うことによって大きく大きく成長していきます。

壁にぶつかりながらもありさたちが奏でた音楽は、彼女たちの背中を押して人生を前へと進ませてくれます。
その美しい成長の物語をぜひご堪能ください。

★★★ Excellent!!!

もうっ、もうっ!花小ブラスを応援せずにはいられない!!
こんなに純粋な気持ちで「フレー!フレー!」と声を上げたくなる小説があったでしょうか……!!

ひたむきな小学生たちの思い。
その楽しさ、嬉しさ、悔しさ、つらさ……全部がダイレクトに伝わってくるこの作品は、登場人物と同じくらいの子供たちにはもちろん、ぜひ大人にも読んでもらいたいっ!!
そして大切なものを思い出してほしい……

想像が広がるラストはこれからの困難も思わせるものではありますが、それよりも彼らの瞳が見つめる未来に眩しいくらいの光を感じます。
その光はきっと、この物語を読んだすべてのひとを照らしてくれることでしょう。
そして羽ばたく勇気を与えてくれるはず。

あぁ……私、いまこんなに明日を楽しみにしてる……!!

登場人物たちはもちろん、なんだか自分にまでエールを送りたくなる、素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

音楽にとても造詣が深い筆者の思いが、存分に発揮されている傑作。

ブラスバンドを題材とした、小学生が活躍する音楽物語。とはいえ話はただ子どもに向けたものではなく、大人もきっちり読めるばっちりのクオリティだ。

高校生活が舞台だった『不滅の風』とはまた違った、小学校生活を彩り豊かに描いている『ブラスガーデン』。
満開のイングリッシュローズが咲き誇る素敵な音楽庭で、子どもたちは伸びやかに音楽と向き合ってゆく。花が水を吸うように、どんどんと音を吸い込んで成長してゆく主人公のありさの姿に胸を打たれる本作。

勿論ありさだけではなく、東阪くんや紫姫ちゃんなどのブラスバンド部のメンバーはそれぞれが個性的。バラの花だって様々な色合いや種類があるように、子どもたちもひとりひとり違うし、小学生とはいっても無邪気で快活なだけじゃあない。悩んだり、友だちと気まずくなったり、親子の関係だってより強く影響して来るのがこの年頃の子どもたち。

そんなひとりひとりの問題にも向き合いながら、物語は進行してゆく。本番の予行演習も兼ねた「ガーデンコンサート」がひとまずの成功に終わったところで、登場人物のひとりにまたスポットライトが当てられて……?

果たして11月の本番では、ありさたちはどのような演奏を聴かせてくれるのだろう。文字を追うだけでも魅力を存分に感じられる、広がりのある豊かな音の世界。
満開の花の中で、満天の笑顔を咲かせながら、物語は結末に向かって加速してゆく。ぜひ、皆さんもお聴きください。