あくなき挑戦。好奇の槍は光り輝き闇を貫く。
主人公の挑戦。どちらかと言えば欠点の多い感じの主人公が、自分の長所というべき好奇心で挑戦を繰り返していきます。
その先に何があるのか。
そして、正体が全く不明な影の王。まさしく影のごとき存在にして、圧倒的な力で主人公たちを苦しめます。その中で主人公は考え、失敗し、くじけそうになりながらも、チャレンジし続けていきます。
その姿に感動を覚えることでしょう。
完璧な人間はいない。そして、それぞれが得意なことは違っている。そんな人間模様で描かれている本作品は、失敗を恐れずに前に進む勇気が、仲間との絆を繋ぐ一つだと教えてくれる物語かもしれません。
じっくりと堪能することをお勧めします。
プログラミングやら、オブジェクト指向やらと、あらすじに取っつきにくい言葉が書いてあったんで身構えて読んでみれば、ただの取り越し苦労。そんな心配は無用でした。
強大な【影の王】に立ち向かう唯一の術は、貧弱な魔法弾のみ。
それでも試行錯誤しながら対抗手段とするべく、苦労を重ねる魔法研究者の生き様を描いた作品として、特別な知識なしでも楽しませていただきました。
あくまでもそこに用いられた考え方が、プログラミングに沿っているというだけ。
もちろんそういった知識を持っている方が読めば、より一層楽しめることでしょう。
ですが……。
情感たっぷりに描かれる、大規模戦闘の迫力。
様々な思惑を持った、主人公周辺の登場人物たち。
そして簡単には運ばない、紆余曲折の魔法強化への道。
これだけ詰まってるんですから、そんな楽しみは副次的なもの。
純粋に物語を楽しむだけで、充分お釣りがきますよ。
絶対的な制約を力に替える〝智恵〟と〝創意〟、そして〝工夫〟の大奮闘!
勝利の鍵は魔力にあらず。
魔に抗するは根性にあらず。
固定観念は足を引く。
硬直思考は負けを呼ぶ。
〝智恵〟で固定観念を覆せ。
〝創意〟で限られた要素を活かせ。
〝工夫〟で可能性を切り拓け。
勝利の鍵は〝ソフトウェア〟。
有限のコマンドから無限の機能を造り出せ!
覚えるだけが魔法じゃない。
力押しだけが能じゃない。
〝拡張〟せよ。
切り拓け。
機能を描け、〝ソフトウェア〟!
これはまさしく〝技術〟の書。
論理と発想で武装せよ!
WIZARDWARE := WIZARD + SOFTWARE
制約に負けるな。
魔法を〝造れ〟。
可能性は己の裡にある。
今日から君も魔法〝技術者〟だ!
杖を振れば、呪文を唱えれば、強力な魔法で敵を一発粉砕?
本作は違います。一分に一度しか撃てない微弱な魔法弾。属性はあるも効果のない属性。魔法弾の上限だって十数発。とても倒すべき「影の王」には遠く及ばない弱さ。どうやって倒すんだという状態から本編は始まります。
そこからの過程が本作で一番エキサイティングなところでしょう。誰も目をつけない文献に記された技術にヒントを得、強力な魔法を打ち出すための方策を練っていくアキム。失敗、確執、離別――様々な困難が彼を襲いながらも、それでも立ち上がる姿勢に、ページをめくる手は止まらなくなっていきます。
やがて迎えた最終決戦。知恵と技術を総動員し、練り上げられた驚天動地の布陣、戦術の数々。そしてそれを支える人々の調和と熱意。人の力だけではなしえず、技術の力だけでもなしえず、その融合が生み出す力は、人の力を、可能性を胸に刻み込んでくれることでしょう。
ただのSFでも、ただのファンタジーでも、ただの技術書でもあらず。それらの融合と練り上げられた人間ドラマが生み出すカタルシスは、この作品でしか味わえない唯一無二のものなのです。
純粋なファンタジーと言い切れない、異色のファンタジーです。じゃあ、純粋なファンタジーとは?と問われるても答えられないのですが。魔法が話の中心なのだからこれはファンタジーだと、断言してもいいよね(汗
「役に立たない」とされている本からの知識で問題を解決していく主人公。それだけで、問題がすべて解決できるかいうとそんなに単純じゃない。ライバルや友人たちもそれぞれの役割がある。プロジェクトがうまくいかなくなるくだりも、リアルで納得です。
話がなかなかに練りこまれていて、次々と読み進めたくなります。
主人公がプログラム(ソフトウェア)の考えを魔法に応用して、効率と威力を飛躍的に高めるくだりがあります。作者はCやC++を例に説明しています。なかなかいいアイデアですね。ただ、少しわかりにくいかと思いました。とはいえ他のうまい表現方法は思いつかないですが。
現実には困難は必ずある、物事はうまくいかない、うまくいくプロジェクトなんでほどんどない。主人公は、本や、先達、友人、ライバル様々な人々の力を合わせて最後は敵に打ち勝つ、その感動が心に響きます。
レビュー失礼致します_(._.)_
プログラミング技術を背景に、異世界で繰り広げられる魔法戦記🔥❄🗻🍃
始まりはまだ文明に遅れた世界設定ですが、異色の発想の持ち主――アキム・ミヤザワを主人公とし、多種多様な登場人物たちと魔法研究を進めることで、やがて運命の決戦へと準備を進めていきます🌟
全ては10月10日……影の王を倒すために💥👿
決戦のみならず戦闘シーンが様々と描かれ、そこで得た知識や経験をもとに成長していく冒険要素も感じ取れました。
拝読させていただいた感想としては、まず申したいのは作者様のグランドスラム級の語彙力です!
シーンを可視化するために綴られたワードたちの濃さ、また一捻り加えられた難単語で更なる味を醸し出してました📖活字がお好きな方々にはたまらないでしょう。
そして一番はやはり、物語の運び方がとても上手く入り込み安かったです😌
相手の弱点試行錯誤、魔法能力の応用、そして仲間たちとの協力✨戦闘物には欠かせない三拍子が揃っていたため、ホントに楽しく過ごせました。
プログラミング技術を知らない方でも理解できるよう注記がありましたので、私も難なく進められました。個人的には中盤の魔法暦94年あたりが熱かったです。
また、ラストが……😋
崇高たる完成度。もはや早く出版した方がいいレベル🙆
今しか無料で見れないかもしれませんので、皆様も是非一読してみてください。