★★★ Excellent!!! ちょっと歪んだ女たちの殺伐プリズンレズ、こんなの面白いに決まってる! 橘こっとん 紹介文の「殺伐や殴り合いって、百合なんだよなぁ……」に深く頷いた私としては読むしかないお話でした。 そして読んで実際大正解です。殺伐や殴り合いは百合。 「ちょっと歪んだ」と書きましたが、その歪み方は様々です。過去に恐怖する女だったり、他人を意のままにする女だったり、女に性癖歪まされる女だったり。最後の百合ポイント高いですね。 そんな女たちの関係性が、とある新入りの入所から段々と変化していくお話です。百合ポイントが無限。 20話現在の個人的推しはクレとエドの関係ですが、これからの展開も楽しみです。 もちろん小説としてのクオリティも高く、刑務所もの独特のルールや力関係の描写など、淡々とした筆致によるアウトローな空気感がたまりません。 殺伐や殴り合いは百合です。読みましょう。 レビューいいね! 4 2018年9月17日 11:14
★★★ Excellent!!! 新しい扉を開こう/監獄殺伐百合 シガ 殺伐百合は読んだことあったんですけど、ここまで黒いのは初めてでした。 それぞれが自分の欲望のためだけに動いているので、ドロドロしていてそういう雰囲気が好きな人は堪らないでしょうね。 自分は黒すぎる話が苦手なはずだったのに、1日で最新話まで読んでしまう不思議な魅力があります。 どう完結させるのか一切予想がつかないです。 最後に、黒いの書いて精神引きずられないように頑張ってください。 ここからは加筆しております。 お話の舞台を簡単に言うと「ファントム」という刑務所から脱走した罪人が詰め込まれる監獄です。囚人は女のみです、大事なことなのでもう一回です、『囚人は女のみです。』 この要素だけで殺伐な百合が読めること間違いなし!と思いませんか?だって監獄に入れられるような女が集まるんですよ?血の気の多い女達が閉鎖空間に閉じ込まれるんですから、中で起きることは殺伐な百合だ!と聡明な百合好きの皆様方なら気づけると思います。 じゃあお前設定だけが殺伐百合なのか?って?違いますよ、断じてそんなことはありえません。 女一人一人の思惑があり、それぞれが自分の為だけに動く、そうすればドロドロ殺伐百合の完成です。 人の考えなど千差万別なのですから、感情の押しつけ、身勝手な行動、表と裏では違う顔、ほぉら、これを見たら素敵な百合だと理解できる筈です、そう信じてます。 自分を優先するかるこそ生まれる関係性、巨大感情がより良く輝き、大きくなるのです。 それもこれも作者様の技量があるからこその結果なのです。 私が同じ設定で書け、と言われたらここまでの物語を書くのに余裕で人生を使い果たします、というかそれでも書けないです。 癖の強いキャラ達を操り、最高な展開に話を持ち込んでいく。 その技量が凄まじいのです。 他にも注目して貰いたいのがキャラの視点移動の多さです。 普通は主人公がいて、その主人… 続きを読む レビューいいね! 3 2019年2月24日 20:47
★★★ Excellent!!! 捩じれて、拗れて、狂って。殺意と執着と純情が入り混じる監獄百合 クロベ 脱走を試みた囚人のみが送られる特殊な刑務所、荒くれ者や狂人ばかりでありながらも(他と比べて比較的、ではありますが)平穏を保っていた監獄島に新人がやってきた。そこからこの話は始まります。 それは水面を揺らす小さな波紋から、全てを呑み込む津波のように。彼女の行動から、ある意味で保たれていた監獄の平穏は崩され、狂ってゆくのです。 物語が進むにつれ登場人物の過去や隠している本性が明かされてゆき、最初にあった関係性も壊れ、拗れ、変わってゆきます。そして少しずつ、刑務所という閉ざされた社会の中での勢力図も変わり、動いてゆく。 変わってゆく環境の中、前に進もうとする者もいれば無自覚に狂ってゆく者もいる。彼女達が最終的にどうなるのか、目が離せないです。 レビューいいね! 4 2019年5月25日 02:04
★★★ Excellent!!! ラーメンで言うならばきっと二郎系 らいち ひとこと紹介にも書きましたが、ラーメンで言うと二郎系です。 大盛りチャーシュー追加麺硬め油多め野菜ニンニクマシマシぐらいの破壊力があります。 とにかく凄い、脳みそに直接訴えかけてくるような味付けで箸が進むこと間違いなし。でもあまりの量と濃い味付けに食べきれない方もいます。しかし食べ残しは厳禁です、残すと店主や横の客にギルティ(断罪)されてしまいます…そんなスリルを味わいながら食す。そんな感じです。嘘です。 綺麗事無しの人間臭さ(人間らしさ?)極振り+暴力的な部分有りなので苦手な方は苦手かもです。 でも好きな人にはストライクゾーンに新幹線くらいの速度で球飛んできます、球を喰らって吹き飛びながらも『ワイが求めたのはこれやぁ!!』ってなります。多分。 あと、作者さんのツイッター面白いのでフォローするといいかもです。 レビューいいね! 3 2019年6月12日 01:25
★★★ Excellent!!! 怪作。えろい 半戸ルネーム 最高にぶっ飛んでる百合作品です。キャラクターの個性をより魅力的に描くために(特に恋愛が絡むような作品では)性癖を変わったものにしてしまう。そのような選択肢がありますが、この作品ではそれが複雑な上に、寧ろ“性癖、変態性”こそがメインとして描かれています。アクセントとかそういう次元じゃないです。 よりディープで、感情に塗れた百合を探しているのなら、これ以上の作品はない。そう思います。 レビューいいね! 1 2019年8月14日 20:25
★★★ Excellent!!! 終わりが近付くのが寂しくなる作品です。 如月真弘 最後まで緊張感を持って読みました。 今あとがきまで読み終えて、余韻とともに寂寥感に胸が支配されています。 それだけこの物語のキャラにどっぷり感情移入してしまいました。 この作品に出会ったきっかけは、とあるコンテストでした。 当時既にかなりの文字数があったので、全部読むのは大変だなと思いながら読み始めました。それが気が付いたら最新の更新まで一気に読み終わっていて、「続きは!? 続きはまだなの!?」と禁断症状を起こしていたんです。 百合好きの中でも人を選ぶ作品だと思います。ただ、私は1話目で既に引き込まれたので、好きな人は1話で好きになると思います。 このレビューを読む方は、これからこの作品を読むかどうしようかという方がほとんどだと思うので、ネタバレは控えますが、一つだけ。 私はクレ×エド派です(唐突)。なのでエラーとムサシに苛立つ自分に気付きました。こういう読者って、こじらせると毒者化するから危険なんですけど、でもこういうファンをつくることが作品にとって勝ちでもあるんですよね。商業化した時に文句を言いつつ続巻を買ってくれるので。 私もこれだけ感情移入させる作品を書きたいものです。 素晴らしかった。寂しいから同じ作者さんの他の作品も読んでみよう(難民)。 レビューいいね! 1 2019年8月15日 01:32
★★★ Excellent!!! 跳梁跋扈する拳と感情 アルフェッカ 第一に、90話に及ぶ物語を綺麗に完結させた作者の力量にただただ感服。 等しく愚かな女たちが牢獄という閉鎖空間で繰り広げる壮絶な殺伐百合。殺伐も百合も単なるアクセントではなく、「殺伐百合」とまとめて称するのがふさわしい、そんな作品。 若干スロースタートなきらいはあるが、ACT.40あたりから物語は一気に加速していく。前半部分を贅沢に使ったことで生じるその爆発力は圧巻。 登場人物は一癖も二癖もある奴ばかり。琴線に触れたキャラクターがいればその結末を最後まで追い求めるべきだが、そこからorそこへの矢印がどのように変遷していくかを同時に楽しむことで、この物語の魅力は何十倍にも膨れ上がる。 個人的にはエラーと彼女をめぐる感情の行方に心踊らされた。結末は程よくドラマティックであり、また程よく妥当であった。非常に満足している。 最高の屑たちの最高の輝きを見たい方に勧めたい。 レビューいいね! 2 2019年8月28日 09:08
★★★ Excellent!!! キャラクターの関係性がとにかく魅力的 さゆと/sizukuoka この小説の魅力は、キャラクターと、キャラクター同士の関係性です。 個性的でどこか歪んでいるキャラクターたち。幾重にももつれ絡まり合い、事件が起こっては度々変化する関係性。 一度沼にハマってしまえばとにかく目が離せません。 特に、歪んだ関係性の百合が読みたい方は必読です。 ヤクにセフレにレズレ、女を取り合う女と女の殴り合い、ケンカップル、殺意を伴う執着などなど……刑務所という特殊な環境ゆえの特殊な関係性が大量に詰め込まれていて「さいきょうのれず」が読めます。これは間違いない。 1話1話がきりのよいところで終わるので少しずつ読んでも大丈夫なのですが、 え、この先どうなるの? この子は大丈夫なの? とドキドキしっぱなし。 夢中で読んでいたら、電車で降りるべき駅を乗り過ごしたくらいです。 スマホで読むことに慣れなかったり、心惹かれるテーマが少なく、Web小説には苦手意識がありました。 しかし、私はこの小説にWeb小説の面白さを教えてもらったと感じています。 私は14話で沼にハマりました。 あなたはどこでハマりましたか? ぜひ、この小説を読んで確かめてみてください。 レビューいいね! 4 2019年10月20日 01:27
★★★ Excellent!!! ひとことでは言い表せない表現力と文章力 谷野 真大郎 とにかく面白いです。残酷で惨く艶めかしく、読めば読むほどそのダーティな魅力の深みにはまっていきます。普段はあまり過激な作品を好んで読みはしないのですが、そんな自分でも一度感じた「面白い」という気持ちは一切冷めること無く、最後まで続きました。むしろ、熱は上がる一方と言っても差し支え有りません。 まずこの作品の大事な部分は、キャラクター間の関係性です。感情の矢印、とでも言えば良いでしょうか。○○が○○に興味がある、○○と○○はいつも仲が良さそうに見える、○○は○○を殺したいほど憎んでいる……そういったものです。この作品において、この矢印は一貫しません。そして、その矢印の原動力となるものは好意とは限りません。目まぐるしく違う人物へと向けられて、複雑に絡み合って、常に変化し続けます。しかしながら難解かというとそういうわけでもなく(説明下手な私が人に教えることは出来そうにもありませんが……)、順を追って読んでいけば、余程国語が苦手だったという方でも無い限りほぼほぼ間違いなく理解できると思います。これは作者様の技術が途轍もなく優れているという他ありません。矢印が変化するタイミングは非常に的確であり、また因果関係が凄まじく洗練されています。全ての事象に意味があり、変化し続ける関係性はさながらピタゴラスイッチでも眺めているような気分。普段からあまり本を読まない自分だからこそ思うことなのかもしれませんが、丁寧に書かれた作品なのだなと読んでいる最中に何度も思いました。 また、この作品の魅力を語る上でこれに触れないわけにはいかない、という要素は他にもあります。刑務所という空間、それと性と暴力の表現です。この三つに関して、まだ人生経験の浅い自分にとっては現実で自分に起きた出来事と重ね合わせて読み込むことはできません。(一生縁も無いかもしれません)ですから、この作品におけるそういった情景や登場… 続きを読む レビューいいね! 5 2020年1月6日 18:55