試される
目の前を右拳で殴ると同時に、背後の気配に左肘を入れる。
膝、踵、そして自分より背の高い相手には頭突き。息つく間もなく向かってくる鋭い気配を寸前で躱しながら、
「……これで、良い?」
攻撃の手が消えたことを確かめてから、荒い息を背後に向ける。
「ああ」
子供の声が、尤の耳に響いた。
「それで、依頼内容は?」
近づいてくる小さな影に向き直り、短く言葉を吐く。
新規の用心棒を試すためだけにこれだけの人間を犠牲にする雇い主だ、きっと、面白いことが待っている。自分が地面に伸した者達を見回してから、尤は、余裕の笑みを浮かべた依頼主に大きく会釈した。
Twitter300字ss お題『試す』
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