第346話地蔵菩薩の秘力 対決に向けて三人を保護

ソフィーが綾子の両親と綾子に声をかけた。

「地蔵様の不思議なお働きと浄化の御業にて、ご両親の体内に入った毒物は浄化しました」

「それと、地蔵様の秘術により、真言立川流の祭儀の場を抜け出すことができました」


綾子の父は全員に頭を下げた。

「はい、誠に申し訳ありませんでした」

「私たちがお務めをさせていただいておりました諏訪神社の周囲に、既に過去の遺物となっていたと思っていた真言立川流が、いつの間にか復活をしておりまして」

「その妖しい秘術で、人の善意をむしばみ、操る」

「操られてしまった人は、組織の言うがままに、他の人をたぶらかし、組織に組み入れる」

「最終的には、髑髏本尊という、まさにいかがわしい儀式への生贄となる若い処女を探しているとの情報があったのです」

「・・・その生贄が・・・まさか綾子とは思いもよらず・・・」

「いきなり、多人数の操られた信者に襲われ・・・」


綾子の母は泣きながら続けた・

「もう・・・諏訪様のお札を握らせて、綾子を逃がすことが精いっぱい」

「私どもは、多人数の目も虚ろになった信者に取り押さえられ、意識を失うような薬を飲まされ」


綾子の父がまた、続ける。

「不思議だったのは、私たちも握っていた諏訪様のお札が急に、手が焼けるほど熱くなり、意識が回復したのです」

綾子の母

「身体を起こしてみると、動いているのは、私たち二人だけ」

「私たちを監禁し、見張っていた人は、硬直したかのようになっていました」

綾子の父

「不思議ではありましたけれど、監禁されていた場所も鍵が簡単に開き」

綾子の母

「外に出ると・・・お地蔵様に二人とも抱きかかえられ、鈴の音が鳴ったと思ったら・・・この教会の中に」


ソフィーは地蔵菩薩に頭を下げた。

「地蔵様の秘術です、時間を止め、罪なき人を救う」

ソフィーの言葉で、綾子の両親と綾子が、地蔵菩薩に深く頭を下げる。


地蔵菩薩は、三人の身体を抱く。

「ご心配はいりません、これが地蔵の本願なのです」

「大変だったでしょう、苦しまれたでしょう」

「お辛い思いを」

とにかく、やさしく滋味あふれる言葉、綾子の両親と綾子は抱き合って泣いいる。


光がソフィーに声をかけた。

「また、真言立川流の組織が、何をしてくるかわからない」

「おそらく、綾子ちゃんの、霊力もずば抜けていたから、人身御供にしたかったのだと思う」


ソフィーも頷く。

「確かに、あの組織から逃げられるなど、普通の霊力ではできない」

「諏訪様も大切にしている巫女なのだと思う」


春奈が、光の顔を見た。

「ねえ、光君、一時、保護しようよ、決着がつくまで」

その春奈の言葉に、他の巫女全員が同意する。


光も、頷く。

「決戦は、運命と合唱のコンサートの日」

「人が集まる日を彼らは狙う」

「何としても、そんな人を困らせる邪教は、倒さなければならない」


光は綾子の両親と綾子に声をかけた。

「コンサートの日までは、三人を保護します」

「僕たちを信じてください」


華奈は、光の話の途中から、綾子の手をしっかりと握っている。


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