第326話光vsメデューサの手先(1)

光はゆっくりと立ち上がった。

坂口は、その光を見て、驚き、震えた。


「・・・あのオーラはなんだ?赤い炎のようなオーラ・・・」

「光君の目の輝きが、いつもと全然、違う・・・」

「もしかして・・・阿修羅?」

「阿修羅の技を出すのか?」


春奈も震えた。

「下手をすると、殺しかねない・・・光君も阿修羅も本気モードだ」

華奈は、怖くなって春奈にしがみつく。

「ねえ・・・一番ヤバイかも・・・」

「光さんが一番嫌うタイプだもの、ゴーマン、卑怯な人って」

由香利も、震えるけれど、必死に光の心の奥を探る。

「殺すまではしないと思う・・・でも、それに近いことは・・・」

由紀は、胸に手をあてた。

「どこかで、セーブするとは思うけれど」


キャサリンは光の立ち合い試合場の中央に進む足を見た。

そして、また震えた。

「足が地についていない、つまり、すでに阿修羅になっている」

サラが、真っ青な顔になった。

「おそらく・・・あのブラジリアン柔術の総監督は・・・」

「あそこまで、阿修羅が出るということは・・・メデューサの意を汲んだというか、手先だったのか・・・操られているのか・・・」

春麗は、少し身体を浮かした。

「勝負は一瞬、光君いや、阿修羅が勝つ」

「でも、その瞬間、何かが・・・」


ソフィーも事態の深刻さを読んだらしい。

いきなり背中に羽を生やし、立ち合い試合場の天井付近に浮かんだ。

しかし、その姿は、常人には見えない。


様々、動揺する巫女たちの中で、楓だけが冷静。

「慌てることはない、これも、予定通り、光君の作戦通り」

「誰も知らない、春日様の秘法がここで見られる」



光は、立ち合い試合場の中央に立った。

対するブラジリアン柔術の総監督は身長が2メートルを超える大男。

やせ型で、とにかく手足が長い。


対する光とは身長にして、数十センチの差。

大人と子供の違いがある。


ブラジリアン柔術の総監督が光に声をかけた。

「ココマデヒドイメニアワシテクレタ」

「イキテハカエシマセン」

「ドウシテベビーガココニ」

せせら笑い、小柄な光を嘲る。


呆れた坂口が、ブラジリアン柔術の総監督に声をかける。

「この光君は、さっき君たちをコテンパンにしたどの選手よりも強い」

「どうなっても不思議ではないのは、お前のほうだ」



そう言われても、ブラジリアン柔術の総監督はせせら笑うだけ。


光が審判に、いつものハンナリ声で声をかけた。

「はじめてください」


と、同時にブラジリアン柔術の総監督は低いタックルの構えを取る。

光は、何の構えも取らない。



「はじめ!」

審判の試合開始の号令がかかった。


次の瞬間・・・光は合掌、そして阿修羅に変化した。


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