第321話立ち合い開始 春麗の華麗な勝利と黒光りするカプセル

光たちとブラジリアン柔術の選手の立ち合いが始まった。

光たちの一番手は、春麗、中国拳法にて立ち会う。


「はじめ!」

審判をつとめる柔道選手の号令とともに、ブラジリアン柔術の選手は、腰をかがめ、春麗に絡みつこうとする態勢となる。


しかし、春麗は構えを取らない。

笑みを浮かべながら、軽く跳躍を繰り返すのみ。


それに焦れたのか、ブラジリアン柔術の女子選手が、春麗に突進。

まさに春麗の下半身にタックルをしようとする瞬間だった。


「ハッ!」

春麗の身体が立ち合い試合場の天井向けて、高く舞う。

そして、空中でくるっと回転、そのまま踵がブラジリアン柔術の選手の脳天に落ちた。


ブラジリアン柔術の選手は、その一撃で昏倒。

ほぼ意識がない。


春奈は目をパチクリ。

「すごい!かっこいい!」

華奈

「きれい!何か空中の舞を見ているみたいだった」

由香利

「まさに一撃!スッとした」

由紀は、春麗の次の動きに注目。

「あれ?春麗、ブラジリアン柔術の選手の帯を抜いちゃった」

ルシェールは目を凝らした。

「さっき、光君が読んでいたことかな、きっと春麗も感じたんだ」


審判の選手が「一本!」と、春麗に勝利を宣告した時だった。

ブラジリアン柔術の総監督と選手たちが一斉に抗議で、審判に詰め寄る。

しきりに蹴りのポーズと、帯を指さしているから、春麗の蹴りと帯を取ったことに対する抗議なのだろうか。


光の隣に斎藤が座った。

「ブラジリアン柔術の人たちは、簡単なことでは負けを認めないのさ」

「自分たちが蹴りを入れても、相手の蹴りを認めない場合がある」

「春麗の場合は、頭部への蹴りは認めていないとかね」


光は斎藤に尋ねた。

「そんな取り決めをしたの?」

斎藤は首を横に振る。

「全然してないよ、何でもありのルールのはず」


光の前に、春麗がブラジリアン柔術の選手の帯を持って歩いて来た。

光は、その帯を受け取り、立ち上がった。

そして、試合場の中央に進み、一気に帯を引き破ると、その中から黒光りのする小さなカプセルが出て来た。


途端に審判の周りで、抗議していたブラジリアン柔術の選手や総監督の表情が変わった。

今度は、光のほうに詰め寄って来る。


光は、坂口を呼び、そのカプセルを示す。

「これは、小さな爆弾なのでは?」


坂口も緊張気味にそのカプセルを受け取ると、ソフィーが試合場に入って来た。

ソフィーも、坂口の手の中のカプセルを確認。


そして、総監督に近寄った。

「これは爆弾ですよね、何故、帯の中に?」


しかし、総監督は何も知らないというように、首を横に振る。

それどころか、光が帯を引きちぎったことを非難するかのように、光に指をさして、威嚇のような言葉を続けている。




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