第319話ワンボックス車の中では、様々

光の一行を乗せたワンボックス車は、東京駅で奈良から来た楓を乗せた。


楓は、ワンボックス車に乗り込むなり、光の隣を独占、そして、いつもの文句を言い始める。

「まあね、光君が改札口でお出迎えは当たり前なの」

「それにしても、車に乗ったらお茶とお茶菓子くらいは出さないとね」

「わざわざ、奈良から来てくれてありがとうって言うだけでしょ?」

「それは形に示さないとねえ」


その楓に春奈が対抗する。

「結局、楓ちゃんへのお礼って、食べたり飲んだりすることなの?」

華奈も続く。

「すっごいよ、そのお尻、光さんが窮屈だよ、それじゃあ」

珍しくルシェールも文句。

「どうしてコロッケとお稲荷さんを、同時に口に入れるの?」

「口に入れば、何でも美味しいの?」

ソフィーはもっと厳しい。

「お昼は鉄板焼きにするけれど、楓ちゃんは野菜だけにしようか?」

「圭子さんから、是非それでって言われているしさ、でも可哀そうだから、お肉も食べさせてあげようと思ったけれど、やめる」


楓は「母圭子のお願い」時点で、ほぼ陥落、勢いもなくなってしまう。

しかし・・・ここで光がまた、無粋発言をしてしまう。


「楓ちゃんは、ふっくらしているほうが可愛い」

「熊さんみたいで、見ていて楽しい」

「だから、そんな体重とか体型とか気にしないで、たっぷり食べようよ」

「お肉もアイスも、ああ、そうだ、ごはんもたくさん」


この言葉で楓はガッカリ。

「ふっくら?熊さん?それが18歳の女の子に言う言葉?」

「もーーー!最低!」


他の巫女たちも、呆れた。

「マジで、アホ」

「乙女心を何もわからない」

「栄養学のカケラも理解していない」


・・・・多すぎるので省略。


その、光の一行を乗せたワンボックス車が、立ち合い会場に近づくにつれて、警官の数が増えてきた。

それと同じくらいか、もう少し多く、スーツ姿の男が増えている。


由香利が、光に声をかけた。

「彼らは、親父の子分」

「髪型も一般人風にしてもらった」

「親父は、いつもの和服」


華奈が尋ねた。

「どうしてそこまで?」


ソフィーの顔が厳しい。

「その実態は、テロリストかもしれない、国際的なね」

「もしかすると、小さな鞄に爆発物を入れてあるかもしれない」


光の顔も厳しく変化。

「鳥神カルラが上空で監視を続けている」

「爆発物を感知したら、サカラ神が清浄雨で消し去る」

「大騒動になったら、神も人も天使もなく、相手を叩きのめすのみ」



立ち合い会場、坂口が指定した大きな道場が見えてきた。

入口に坂口が立って待っている。


光が真っ先にワンボックス車を下りると、坂口が駆け寄って来た。

「わざわざ、すまないね、光君」


光は、首を横に振る。

「格闘はともかく、薬とか爆発物の仕掛けが危険」

「その対策は、ソフィーと由香利さん、それから八部衆に頼んだ」


巫女たちの表情も厳しくなっている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます