第315話斎藤は治癒が始まる 当日の態勢など

斎藤の表情が、変化した。

「あれ?ひじが熱い、でも痛みはない、固さが引いていくような気がする」

「足首もズキズキしていたのが、少しずつ軽い」


春奈が斎藤に声をかける。

「30分ぐらいしたら、ひじも足首も動くようになるよ」

「でも、それまではこの姿勢で、私たちが続ける」


ソフィーも春奈に続く。

「それにしても捩じ切られたって感じ、どうしてそこまでするの?」

「恨みつらみがあるわけではないのに」


校長が厳しい顔。

「おそらくは、オリンピック候補の斎藤君を無理やり壊して、威嚇する」

「数年は柔道が出来ないくらいに、痛めつける」

「・・・そうすれば、自国のオリンピック候補者に上位入賞の確率が高くなる」


光も、それには頷く。

「オリンピックの入賞歴は、その国の国威発揚もあるけれど」

「後援企業の最も有効な宣伝になる」

「ブラジリアン柔術は、正式種目ではない」

「だから、道場破りをして、柔道選手をつぶしたとして、非難もされづらい」

「ある意味、刺客、ヒットマンなのかもしれない」


光が斎藤に伝えた。

「今度の週末、坂口先生の招きで、そのブラジリアン柔術の選手と戦います」

「キャサリン、アルテミス、春麗という女子選手も参加します」


驚いた顔の斎藤

「え・・・女の子?」

「柔道ができるの?」


光は、笑って答えた。

「キャサリンは、イギリス風のレスリング」

「サラは、グレコローマンスタイル」

「春麗は、少林寺かな、とにかく中国拳法」

「全員、メチャクチャに強い」

「並の男なら、コテンパンにできる」


ますます驚く斎藤に、光

「それから、正体は明かせないけれど」

「筋肉バキバキで、超ゴツイ身体で禿げ頭のおっさんが二人、参加する」

「とにかく、強いよ、彼らも」


春奈は思った。

「また、あんな言い方をするし・・・」

「どうして金剛力士さんに、口が悪いのかなあ」

「ゴツイとか禿げとか」


ソフィーが春奈にテレパシー

「今、話しているのは光君じゃなくて阿修羅」

「あまり気にしなくていい」

「それより何より、当日の警護だよ」

「試合場の周辺は、警察官を多数配置、一般人は入れない」

「それから救護班、おもに整体、整骨かなあ」


その状態の校長室をノック。


いきなり由香利が入って来た。

「親父も、子分たちも全員警護につきます」

由香利の顔は、すこぶる緊張、怒りさえ見えている。

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