第306話新たなる敵と楓の接点?

光に「東京ご招待」を受けた楓は、うれしくて仕方がない。

そのため、食欲が、さらに増したのだろうか。

お稲荷さんを、もう一つ食べようとするけれど、後方から圭子の声。

「楓!私の分まで食べないでよ!」

かなり厳しめの声・・・と同時に、モニターから楓の顔が消え、電源も落ちた。


春奈はリゾットを食べながら、しっかり観察していた。

「楓ちゃん、コロッケ二つとお稲荷さんを二つ食べてた」

「ふふん、圭子さんに叱られて、モニター電源を切られて、いい気味だ」


華奈は、楓のその後を予想した。

「二重あごが、きっと三重あごになる」

「いくらなんでも、食べ過ぎだもの」


ルシェールは、ホッとした。

「マジでうるさかった、今度耳栓買って来よう」

「あんなことを言うから、光君は逃げ出すの」


由香利は、また違う。

「お稲荷さんって、そんなに食べられる?」


由紀は、考えた。

「種類が多いって聞いたけれど、何が入っているのかな」


キャサリンは、冷静。

「お稲荷さんも好きですよ、私」

サラも頷く。

「そうなの、外国人にも人気が出ていますよ、おにぎりよりボリュームある」

春麗も、その話に乗った。

「中華風の味付けでお稲荷さん、できないかなあ」


そんな話の中で、ソフィーが光に尋ねた。

「ねえ、光君、楓ちゃんを都内に呼ぶの?」


その光はリゾットを口に入れたところ。

「うん・・・あのね・・・・」

モゴモゴして、よくわからない。

おまけに口を抑えている。


春奈は、その光の状態をすぐに察知。

「ほら!うかつに食べるから!」

「熱かったんでしょ?口の中火傷したの?」


光は、首を横に振るけど、ロクな答えではない。

「火傷・・・ちょっとだけ」


その光らしい、「間抜けな」答えに、ソフィーが、怒った。

「あのね、光君!ルシェールの胸で、ホンワカしているのは仕方ないけどさ」

「このリゾットは巫女さん全員で、光君のためにって、心を込めて作ったの!」

「呆れてものが言えない!マジでウカツでアホ!」

ソフィーの質問は、途中から光のアホさ加減への責めに変わってしまった。


華奈が、頭を抱えて、光に尋ねた。

「ねえ、光さん、楓ちゃんに何の用事があるの?」

「私たちでは、間に合わないの?」

「楓ちゃんの、どんな力を使うの?」


光は冷たい水を一口含んで、ようやく話ができるようになった。

「あのね、みんな知っているかなあ」

「ブラジリアン柔術とかっての」

「それをね、坂口さんが、僕が立ち会う姿を見たいって言うの」


春奈が、途端に文句顔。

「そのブラジリアンなんとかと楓ちゃんって、何の関係があるの?」

その春奈の文句は、全ての巫女も同感のようだ。

一斉に、強い視線で、光を見つめることになった。


光は、強い視線に少々、ウロタエながら、ようやく少し詳しい説明。

「あのね、そのブラジリアンなんとかってのが、腕自慢、強さ自慢でね、あちこちの道場荒らしをしているみたいなんだ」

「それだけなら、まあ、いいんだけど」


ここで、光の顔が真面目顔に戻った。


「何でも、南米産のアヤシイ薬を道場荒しで、倒した相手に強制的に売りつけるらしいんだ」

「・・・で・・・その薬を調べたところ・・・」


そして、光の目が、恐ろしく輝き始めている。


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