第295話光とソフィーの八王子山デート計画

光がテレパシーで、伝えてきた内容は

「えっとね、春奈さんには薬師様の癒し系の御力をお願いするの」

「ソフィーとはね、薬草集めなの、楓ちゃんと同じ」

「だから、八王子の山とか、入るかなあ」

・・・・


ソフィーは、最後まで聞かなかった。

「・・・それを私に言うの?」

「この私に作業着を着させて、薬草収集?」

「こともあろうに、楓ちゃんの代役?」

「私って、そういうキャラなの?」



ただ、光は珍しく動じない。

「そう?大した作業でないからさ」

「細かなたくさんの種類の薬草を集めるから、ソフィーの全てを見分ける観音力が役に立つの」

「いい?ソフィー!」

「ゴチャゴチャ文句を言っている時間はないの」

光の言葉が、厳しい。


ソフィーも、それには「うっ・・・」となる。

「いいわよ、わかった・・・やるよ・・・」

その時点で、口がへの字になっている。


光は、また、言葉を続けた。

「それでね、上手に採れたら、美味しい御蕎麦屋さんに行こう」

「十割蕎麦を出す店があるの」

「一度行ったことがあるけれど、美味しかった」


ソフィーは、少し機嫌を直した。

「え・・・それ・・・マジ?」

「ということは、デートなの?」

「しかも、光君と、二人だけで、十割蕎麦で、シットリ?」

こうなると、ソフィーはうれしくなった。

もう、いきなりテキパキと話を進める。


「よし、わかった、絶対、二人だけだよ」

「二人だけで、八王子の山に入ろう」

「まかり間違っても、うるさい春奈さんとか、大騒ぎするだけの華奈ちゃんとかは厳禁だよ」

「ルシェール、由紀ちゃん、由香利ちゃん、キャサリン、サラ、春麗には絶対に読まれないように、結界を張る」


そして、光に条件をつける。

「ねえ、光君、山で薬草探せば、汗かくからさ」

「温泉にも入りたいの」


光も、即答してきた。

「うん、それも、当初の予定にあるよ」

「いい温泉が近くにある」

「薬草風呂も試したいし」


ソフィーは、ますます、うれしくなった。

「ねえ、光君、一緒に入ろうよ」

「タオル巻いてでも、なんでもいいからさ」


光は、これには「うーん・・・」とうなった。

「それはねえ、タオルを巻くと、薬草の効果がわからない」

「お風呂は素肌で入るもの」


少し間があった。

「ソフィー、一緒に入ってもいいよ」

「湯煙で、おそらく見えない」

「そういう温泉だから」


ソフィーは、そこで思った。

「いったい、どんな温泉を知っているのかなあ・・・光君」

「でもいいや、たまには、このソフィーにも役得だ」

「御蕎麦に二人でシッポリ温泉?これはシメシメだなあ・・・」

ついつい、ニンマリとなるソフィーであったけれど・・・


御蕎麦はともかく、その温泉はソフィーの期待とは、全く異なる種類の温泉。

しかし、観音様の巫女ソフィーであっても、その実態を全く把握していない。

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