第286話戦いの事後処理 それぞれの巫女

東京湾及び隅田川周辺の赤黒い泡は全て消滅、いつもの状態に戻った。

鳥神カルラの背に乗り、上空から監視していたソフィーは八部衆の神々に声をかける。

「何とか、作戦通りに、悪霊は除去できたようです」


サカラ神が答えた。

「由香利さんの住吉様と伊勢様の秘法、それと阿修羅の秘薬が素晴らしい効果でした」


同じくゴブジョー神は、いつもの冷静な顔。

「やはり蠅の神ベルゼブブ対策は、薬剤でその力を弱め、それでも生き残ったものを、力で叩くのが有効」

「これで、ベルゼブブは当分は出てられない」

「全て、集められた御神霊様たちの力も強く、単体では攻撃を仕掛けられないでしょう」


ソフィーが東京湾に目を向けると、ポセイドンが笑顔で手を振っている。


その次、晴海ふ頭に目を向けると、真っ赤な顔をした華奈が大きな鏡を支え、その華奈を春奈とルシェール、由紀が支えている。


同じように鳥神カルラ神の背中に乗っていた外国人戦闘系巫女は、その様子を見る。


キャサリン

「今回は華奈ちゃんも頑張ったよね、呪文を間違えなかった」

サラ

「伊勢の巫女の大先輩の由香利さんにも、キツく言われていたよ」

春麗

「でも、佃住吉の秘法の実態を読んでしまって、怒っていると・・・」


ソフィーも、その話に加わった。

「うん、まだ唇そのままだよ、気に入らない」

キャサリン

「ルシェールも、これには完敗、時間の差がある、教会の時は少しの時間だけだった、今回は超長い、私も気に入りませんが」

サラ

「そうなると、ルシェール最強の地位は、なくなった・・・それにしても長すぎ、呪法以上の意図を感じる」

春麗

「今は、由香利さんが、一番手になってしまった、またしても遅れを取った、九天玄女様に叱られるなあ」

ソフィーは苦虫を噛み潰したな顔。

「確かに由香利さんの呪力は半端ではない、光君をしっかり任せられるお姉さんタイプ・・・うーん・・・あと3歳若ければなあ・・・」

キャサリンは必死に考える。

「由香利さんに、文学少女の資質は?」

サラ

「伊勢様と住吉様なら、日本の古典文学には強いはず」

春麗は腕を組んだ。

「ますます強敵、しばらくは図書館通いをしなくては」

鳥神カルラの上では、そんな話をしている。



さて、華奈、春奈、ルシェール、由紀がいる晴海ふ頭は、いまだ夥しい人が鏡の前にいる。


華奈がブツブツと文句。

「鏡を持ち続けるのが疲れた、由香利さんの秘法が危険すぎる」

春奈はそんな華奈をたしなめる。

「あのね、ここに集められた人々は、汚れた邪霊を仕込まれた人なの、浄化しないと、また大騒動になるの・・・由香利さんなら大丈夫だよ、華奈ちゃんが、あの秘法したらミスするだけ」

由紀は冷静。

「せっかく華奈ちゃん、珍しく力を発揮できる機会なんでしょ?なんで怠けようとするの?」

「由香利さんの秘法は、特別最上クラスの巫女しか使えないの、だから気にしても仕方ない」

ルシェールは、ムッとしている。

「それにしても、由香利さんも由香利さんだ、光君の舌なめなんて、光君は食べ物ではないの」

「そういう艶めかしい秘術を使っても、光君はくすぐったいだけ、意味わからないって、ああーーーー気に入らない」


その晴海ふ頭に、地蔵菩薩が出現した。

「巫女様たち、そろそろいいでしょう」

「後は、この地蔵にお任せを」

地蔵が錫杖を激しく振ると、夥しい群衆から、赤黒い泡が浮き上がり、地蔵の宝珠に吸い込まれていく。

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