第250話光を待ちわびる巫女たち

さて、光を待ちわびる巫女たちではあるけれど、「基本的なこと」を思いだしたようで、まず、華奈がソワソワしはじめた。


華奈の顔は真っ赤。

「光さんが心配なの、でもさ、今は無理だって」

その華奈の言葉に応じる楓も、珍しく顔が赤い。

「その通り、この状態では無理」

と、どうにも歯切れが悪い。


由香利も困っている。

「だってさ、裸だよ、みんな、お風呂だもの、それは恥ずかしいって」

由紀は、「うーん・・・」とうなった。

「かつて寒川様の秘法の時に、裸で抱き合ったけれど・・・でも・・・真正面から見たわけではないし・・・真正面は恥ずかしい・・・でもお尻も恥ずかしい」


日本人巫女は、そんな感じで恥ずかしがるけれど、外国人巫女はまた違う。

ルシェールはニッコリ。

「光君には見せつけるくらいで、ちょうどいい、これはチャンスだ」

普段はキチンとしているキャサリンも、何も動じない。

「そういう時のために、余分な肉はつけないの、つけるべきところは・・・うん・・・問題なし」

サラにいたっては、立ち上がって自らの肉体を確認する。

「ギリシャ人にとって、裸体が美しいのは、神から賜ったもの」

「神から賜った素晴らしいものを、恥ずかしいとは論外」


中国人巫女の春麗も、全く動じない。

「この皇帝の御風呂で、巫女が恥かしいとか意味がない」

周美鈴も立ち上がり、自信たっぷりの雰囲気。

「見られて初めて、見初められる」

と、玉のような肌を見せつける。


など、年齢が近い候補者世代巫女は、そんな感じ。

ただ、少し離れた春奈とソフィーは冷静。

春奈

「そんな簡単に見せて、驚かれてひっくり返られても、その後が面倒」

ソフィー

「もし、光君に何の変化がないと、もっと困る」

春奈

「それはありうるなあ・・・」

ソフィーは、そこでニヤリ。

「一つのベッドで一晩寝ても、変化が無い春奈さんの言うことは正解だ」

春奈も言い返す。

「ひざまくらして、お腹のグーグーなる音聞かれた誰だっけ」

・・・・・結局、冷静な二人は、単なる口争いに移行している。


そんなことを言い合っている候補者巫女全員の耳に、圭子の声が聞こえてきた。

「お風呂は終わりだってさ」

「横浜に戻るんだって」

「あなたがた、結局、何の進展もなかった」


その圭子の声の後から、いろんな声も聞こえてきた。

美智子

「ほんと、春奈っておっとりだよね、またチャンスをフイにした」

ニケ

「ソフィーも同じ、講釈ばかり言って、肝心の時に足がすくむ」

ナタリー

「見せつけるんだったら、見せればいいの、あの子も口ばかり」

美紀

「華奈は、まだそれ以前の状態、私のほうが可愛い」

・・・・・後は、同じような娘世代への文句の連続につき、省略。


特に母親が同行していない外国人巫女も、落胆気味。

キャサリン

「アーサー王ががっかりしていた」

サラ

「アルテミスが仕掛けがノロマって怒っている」

春麗

「九天玄女様が、せっかく伝説のお風呂を準備したのに何事って・・・やばい」

周美鈴

「媽祖様も、そんな感じ、せっかく無理やり入り込ませたのに、先が思いやられるって」


そして、またお風呂全体を、白い霧が包み込んでしまった。

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