第245話光のもう一つの隠されていた力

「とにかく光君は・・・」

とまで話して、春麗は水を一口、胸を抑えて言葉を続けた。


「手を揉んでみてわかったのは・・・」

・・・なかなか言いづらいようだ。


また間があいて、水を一口。

「でね、すっごいの・・・その力が・・・はぁ・・・」

ますます真っ赤になる春麗、「しかし、それでは意味が不明」・・・のハズになるけれど、さすが感度が高い巫女たちである。


「すっごい」「力」の真実を、春麗の声と表情、心理から読んでしまったらしい。

特に候補者世代巫女たちの顔が、真っ赤に染まった。


周美鈴も、必死に春麗の言葉を補足する。

「そういう力があるから、阿修羅も宿れるのかもしれない」

「そうでなかったら、あの阿修羅なんか、普通の人では宿せないもの」

「それは、わかるでしょう?」


ただ、いきなり手を揉まれ、「わけのわからないこと」を言われた光自身は、春麗と周美鈴、華国祥の顔を見て、また候補者世代巫女を見て、呆れている。


「一体何のこと?」

「すっごいとか、力とかさ」

「あのさ、僕はまだ、疲れているの」

「春麗と周美鈴さんが手を揉んでくれたから、これは中国で有名なハンドマッサージかなあと思っていたんだけど、違うの?」

「本当に、一体、何なの?」


さて、当の光から質問を受けた巫女たちは、互いに顔を見合わせる。

そして相談を始めた。


春麗「これは・・・保健の先生で、一番年上の春奈さんから」

春奈「えーー?それは実際に光君の手を揉んだ人だよ」

周美鈴「でもねえ、恥ずかしいよ、私たちだって、うら若き乙女ですもの」

ソフィー「うーん・・・みんなの前で言うべきこと?」

由香利「それは・・・恥ずかしいよ、ああ・・・ドキドキしてきた」

由紀「その意味では私が一番近い体験をしているんだけど・・・でも恥ずかしい」

ルシェール「私は愛の妙薬止まりかあ・・・うーん・・・」

華奈は、もはや言葉が出ない、顔が真赤、胸を抑えて下をむくだけの状態。

楓「うーん・・・従姉と言ってもねえ、言いづらいなあ」


ところが、母親世代巫女は、意外にホッとした顔になっている。

出て来る言葉は、


圭子「やはりねえ・・・もう一つの隠されていた力だね」

美智子「そうだと思った、聖夜の事件を乗り越えて富士山麓の決戦あたりから」

美紀「うーん・・・生まれる時代を間違えた」

ナタリー「そうだねえ、底なしになる可能性?」

奈津美「阿修羅も底なしの霊力、光君には・・・それか・・・」


ニケは、部屋全体を見渡す。

そして圭子の顔を見た。

「圭子さん、無理だよ、言っちゃおうよ」


圭子は少し考えた。

「そうだねえ、今決まる話でもないしねえ」

「ある意味、その逆とは違って安心この上ない話」


とうとう、圭子は、意を決した。

そして光に声をかけた。

「ねえ、光君、これは朗報なの」


光は「え?」と叔母でもある圭子の顔を見る。


圭子はニッコリと笑う。

そして、はっきりと言い切った。


「春麗と周美鈴が、診断したのは光君の精力」

「すごいんだって!良かったねえ!」

「そして、もう一つ、一番大切なこと」

「精力」時点で「意味不明」の光に、圭子はさらに決定的なことを告げる。


「光君、子だくさんになるみたい、ねえ、うれしい!」

「早く赤ちゃんを見たいなあ!」


光は、その言葉で全身が硬直。


候補者世代巫女全員が、真っ赤な顔で光に視線を集中。


母親世代巫女は、手を打って大笑いになっている。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます