第238話光は春奈の胸を覚えていた

特に候補者世代巫女たちは、光の顔が春奈の胸に包み込まれた状況に焦った。


華奈

「何事?でも、最近春奈さんは少々豊かになっている、マジで焦る」

由香利

「あれは、教師としては問題行為なのでは?逆セクハラでは?」

由紀

「一番、怖れていた事態が目の前に展開している、奪い返さないと」

キャサリン

「冷静なキャサリンは、もういません、実力行使です」

サラ

「春奈さんのうれしそうな顔が気に入らない、引きはがしましょう」

春麗

「少し時間が長すぎ、10秒は長い」


ただ、その中でルシェールは冷静。

「その春奈さんの笑顔の前に、光君は寝ちゃった、ああなると誰でも同じ」

ソフィーは、もっと冷静。

「とにかくもう一度寝かせればいいさ、そして起きた時に、私がムギュっとすれば、光君はアホだからずっと私にムギュっとされていたと思うはず」


従姉の楓にいたっては、光の顔が春奈の胸に包まれても、どうでもいいらしい。

「そういえば、春奈さんはジャスミンの香水つけていたなあ」

「そうなると光君は、ジャスミン光君になるのかな」

「そんなことより、この月餅が美味しい」


さて、光は、春奈がようやく周囲の視線に気がついて、その顔を胸から離した時には、気持ちよさそうに寝息を立てている。


春奈の母、美智子が呆れたような顔。

「無理やりすぎ、春奈は風情も何もない」

「おなかが、薬師様の丸薬で一杯になって、今は消化中」

「その前に、春奈の温かい胸でしょ?」

「それなら光君は寝ちゃうだけ」


春奈は、少々ムッとしたけれど、すぐに笑顔を取り戻す。

「まあ、どうでもいい、結果として光君をムギュっとできたんだから」

「それに、消化が終われば目を覚ますはず」

「そうしたら、もう一度ムギュする」

特に候補者世代巫女には、聞き捨てならないことを言うけれど、春奈のモクロミは、成就しなかった。


テーブルに顔を伏せて寝ていた光が、突然、起きてしまったのである。

そして、春奈に「ムギュ」するタイミングを与えず、立ち上がり、部屋の中を歩きだしてしまった。


その光に、圭子が声をかけた。

「光君、大丈夫?もう少ししたら来客があるみたいだけど」


光は、明るい顔、輝くような瞳。

「うん、春麗が言っていたね、中華街から?大丈夫だよ」

「春奈さんのお薬が効いたよ、助かった」


奈津美も光に声をかけた。

「その春奈さんのお薬を飲んでから先のことは、覚えている?」


その質問に対する光の答えは、全ての巫女が注目した。

そして、光は、顔が真っ赤になってしまった。

「えーっと・・・春奈さんに・・・」


春奈も、顔から火が出るように真っ赤になっている。


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