第235話光はここでも体力不足を露呈する。

ホテルからのお菓子、元町と中華街で買い求めたお菓子が、ほぼ食べ終えられた時点で、ソフィーが「今後の説明をします」ということで、立ち上がった。


ソフィー

「まず、今夜はここのホテルに泊まって、ここのホテルのディナーをいただきます」

「中華街や元町、他にも考えましたが、光君の体力は、まだ完全には回復していません」

「下手に外出して、風邪でもひかれたら、また面倒」

「それに、そもそも、ここのホテルのディナーは格別のもの、間違いはありません」


巫女たちは、全て素直に頷いている。

文句が多い楓も、ここのホテルのディナーには関心があるのか、余計なことは言わない。


また光は、もっと素直というのか、何も考えていないので、「仕切り役」のソフィーには、安全パイ状態。

スンナリと次の説明に移る。

「さて、ここで全員、一泊いただいて、都内にお住まいの方は都内へ、奈良へ戻る方は奈良へ、それぞれ政府の手配する車にて対応させていただきます」

「三連休の最終日の月曜なので、登校や仕事には差し触りがないことが、ラッキーでした」


ここでも、巫女たちからは当然な話なので、何の文句も反応もでない。

光にいたっては、ほぼ、座りながら夢の中にいる。


と、ここまで話はスムーズに進んだけれど、ここでソフィーの顔が、少々厳しくなった。

ほぼ「居眠り状態」の光をチラッと見て、春麗にも目配せ。

「実はね、もう少しすると、ここの部屋に来客があるのです」

「それも、メインは光君への面談なのですが・・・」

しかし、光はまったく目を開ける様子がない。


春麗は、途中からソフィーの意図を察していた様子。

少し困った顔で、ソフィーには目で合図、立ち上がって話しはじめた。

「実はですね、横浜中華街の代表者から、光君と私たちにお礼をしたいとの、申出があるのです」

「窮地を救っていただいたお方たちに、何もお礼をしなければ、全世界の中華街に恥ずかしいとか」

「それも、中国人が格別に大切にしている関帝廟の前の乱を鎮めていただいたのに、そんなことでは申し訳ないとか・・・」

「すでに、今回の騒ぎが中国本国は当然、全世界の中華街に広まっておりまして・・・」

春麗はそこまで話して、座りながら寝息を立てている光を見る。

「それで、この春麗も困っているんです」

「ご覧の通り、光君の体力、気力の回復程度は・・・」

「うーん・・・一割から、一割五分程度」

「ソフィーの言う通りで、この状態で、このまま中華街に出すと、絶対に風邪をひく」

「そうなると、次の闘いに支障となることは、簡単に予想がつく」

「それで、仕方なく、ここのホテルにと、代表者に話をつけたのです」


光の隣に座った楓も、どうにもならない。

途中で、光の額に手を当てたりするけれど、首を横に振る。

「少し微熱があるかな」

「まだ、苦しそうなことは事実」


春奈がサッと歩いて、体温計を光にセット。

全員が注目する中、

「光君、37度5分だよ、中華街に歩くのは無理」

と結論。

そして、そのまま白く大き目なマスクを光につけてしまう。


由紀は、そこで思った。

「やはり顔が小さな光君だ」

「マスクで、顔半分が隠れる」

「中学生の頃から顔が変わらない」


キャサリンとサラ、春麗は、同時に同じことを考えている。

「本当に、私たちが来ても、光君の体力面での改善は、ほとんどない」

「やりがいはあるけれど、絶対に光君が欲しいけれど・・・先が遠い」


光は、結局テーブルに顔を乗せて、眠ってしまった。

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