第234話お菓子パーティーには、それぞれの個性

さて、光にしては珍しく少々長めの話と、楓の涙があったものの、テーブルの上には、ホテルからのクッキーと、候補者巫女が元町と中華街で買い求めてきたお菓子類が、どっさりと広げられた。


光は、まだ心配なのか、楓にやさしい言葉をかけた。

「楓ちゃん、いつまでも泣かないの」

「お菓子食べて元気になって」


楓は、ほぼ光の言葉などは聞かずに、ニンマリとする。

「そうだね、光君・・・どれから食べようかなあ」

「これって・・・すっごく悩むよねえ・・・」

「どれから食べたら一番美味しいのかなあ」

やはり、途中から光の「やさしい言葉」などは、楓の心から消え去ってしまった。

目の前のお菓子に、目がランランとなっている。


その楓を見た、母圭子はガッカリ。

「まったく・・・神妙な雰囲気もあったものじゃない」

「これで、また明日、体重計に乗れない」

「明後日も、不安で体重計に乗れない」

「そして、それがずーっと続く」


そんな圭子に、奈津美

「しょうがないよ、それが楓ちゃんらしい」

「楓ちゃんに食欲がないとか、文句を言わない方が怖い」


美智子も、そんな感じ。

「ほんとにねえ、あのパワフルな楓ちゃんを見ないと、元気がでない」

「その少しでも、光君に欲しいなあ」

「ねえ、今でも、楓ちゃんが五個クッキーを食べるのに、光君は一個をモタモタとしてるしさ」


ニケは、光の食べる遅さに注目。

「まあ、小学生でも、あれより早い」

「他の若い巫女さんのほうが、たくさん食べているし」

ナタリーも心配そうな顔。

「ルシェールも嘆いていたけれどね、食べるのが遅いのは口に合わないからかなあって・・・でも見る限り、単に遅いだけかも」


母親世代巫女の、光に対するそんな分析はともかく、候補者世代巫女たちは、しっかり元気である。


由香利

「やはり名門ホテルのクッキー、上質なバターを使っているね」

由紀

「紅茶が、自然に甘い、本当にクッキーとの相性を考えてある」

ルシェールも感心しきり。

「ここで料理を習いたいなあ、マジで美味しい」

華奈は、クッキーを食べたり、中華街で買った中華菓子を食べたり、いろいろになっている。

「うーむ・・・どちらも捨てがたいから、両方食べる」

「しっかり食べてボリュームアップ、それで光さんへの好感度もアップする」


キャサリンは、例によって作法通りキチンと食べる。

「やはり、お菓子を食べるにも、マナーは大切」

「そのマナーにおいては、光君もしっかりしている、あの食べ方なら心配なく連れて帰ることができる、少々食べることが遅いけれど」


サラは、クッキーではなく、元町で買ったレモンケーキ。

「やはり地中海世界に育った私は、爽やかなレモンケーキ落ち着くし似合うし美味しい」

「フランス流もいいけれど、バターを使い過ぎだ」

「そもそもバターなんて、オリーブオイルの代替品だったはず」


春麗も華奈と同じ、クッキーと中華菓子を食べる。

「どっちも好きだなあ、美味しければかまわない」

「それにしても、日本の中華菓子は上品な感じ」


春奈もソフィーも同じように食べているけれど、さすがに年齢を気にしているらしく、若い巫女ほどではない。

春奈はやはり、慎重。

「最近、お肌がねえ・・・」

ソフィーも、少々大食をためらう。

「ストレスかなあ・・・」

様々な状態の中、お菓子パーティーについては、スムーズに進行している。

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