第232話光(阿修羅)の作戦?巫女たちの反応

華奈がつぶやいた。

「阿修羅だ、これ・・・阿修羅が話している」


サラは、必死に目を閉じて、光が発した言葉の真意をさぐる。

「うーん・・・メデューサが来て、心配なく好都合?」

「一気にカタをつける?」

「うーん・・・そんな事例があったかなあ」

「アルテミス様ならご存知かも」

と、アルテミス神に問いかけるようだ。

ブツブツと口の中で、不思議な呪文を唱え始めた。


ソフィーも全てを知りうる大天使ガブリエルの巫女。

人間のままでは、どうにも「あやふやな」光の言葉の真意が理解できない。

「すみません、ガブリエル様、光君の言葉が例によって中途半端でわからないんです」

「ねえ、まったく、言葉までナマケモノで・・・自分だけ阿修羅様から作戦やら何やら授けられたみたいで、それをしっかりと伝えることができないんです」

「呆れて仕方ないんですけれど、どうなりますかねえ」

ソフィーは、大天使ガブリエルにまで、光の文句を言っている。


そして、他の巫女たちも、やはり光の言葉がわからないのか、それぞれの御神霊に問いかけ始める。

ただ、なかなか、それが進まないようだ。

とにかく巫女たちのほとんどが、首を傾げたままになっている。


そんな中、途中でハッとした顔になったのは、光の従妹の楓だった。

そして、光の顔を見た。

「へえーーー、あ!そうか!」

「単純だけど、それに趣向を凝らすんだ」

「ふーん・・・さすが阿修羅」

どうやら、楓には、「阿修羅の作戦」がわかってしまったようだ。


光の目が、またそれで輝く。

「ああ、だいたいは、その作戦」

「でも、もう少し念には念を入れるかも」

「もしかすると・・・メデューサは、元の姿を見せるかも」

光の言葉の調子が重い。

明らかに、阿修羅の口調になっている。


楓が光の頭から読んだ「阿修羅の作戦」については、瞬く間に、それぞれの神霊を通して、巫女たちに伝わったらしい。


まず、由香利が手を叩いて喜ぶ。

「ほーーー!これは前代未聞だなあ・・・伊勢様も笑っていました」

由紀は、まだ目を丸くしている。

「その戦術組み合わせの発想はすごいなあ」

「そう言えば、光君は理系のほうが強い」

華奈は、うれしくて仕方がないので、つい先走る。

「うん、これこそ、わが夫、妻として誇らしい」

ルシェールは、ため息をついた。

「まさかね・・・イエス様が大笑いしていました」

キャサリンは、眩しそうに光を見ている。

「ますます、欲しくなった、本気出さないといけない」

春麗も、キャサリンと同じ。

「うん、このままだと、ルシェールに持って行かれる」

「いつまでも、一歩引いているわけにはいかない」


さて、サラは、光つまり阿修羅の作戦を、アルテミス神から聞き、放心状態。

「そんな手段があったとは・・・数千年の呪いを・・・そんな形で解くとは・・・」

「さすが・・・阿修羅様・・」

「これは光君を連れて帰らないと・・・一族から責められてしまう」

それを感じた時点で、サラの目に炎が宿った。


最後にソフィーが光に声をかけた。

「わかりました、光君、いや阿修羅様、政府でも、その旨対策を行います」

「たいした労力ではありません」

「これで、蠅の神対策は、完全なものになります」

本当に、満足した様子。

少なくとも、さっきまでの光を責めていた様子とは、全然変わっている。



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