第222話視肉と太歳の始末 

まず、夥しく倒れている人々の身体から、赤黒い霧状のものが浮き上がった。

そして、そのまま、鳥神カルラの上で輝き続ける八咫鏡の中に吸い込まれていく。


そして阿修羅は、九天玄女に目で合図。

九天玄女が頷くと、阿修羅はまた、不思議な呪文を唱える。


鳥神カルラの上の由紀が、叫んだ。

「すっごい!大きな肉の塊が・・・中華街の空に浮かんだ!」

「豚肉?よくわからないけれど、プヨプヨの白っぽい肉!」


圭子は、目を凝らした。

「おそらく視肉と太歳の合成肉、阿修羅が呪文でまとめちゃったんだ」

奈津美は、フフンと笑う。

「で、そのまま空を飛ばして山下公園に・・・と・・・」

春奈は、目を丸くした。

「あれ?みんな普通に歩きだした・・・お医者さんも看護師さんもキョトンとなっている」

美智子は笑い出した。

「これじゃあ、出番がないって・・・」

しかし、すぐに真顔に戻った。

「いや、万が一のケアかな」


ニケがソフィーの顔を見た。

「そろそろあなたも、動きなさい」

ソフィーもすぐに承知した様子、途端に頭上には光輪、背中には羽が生えた。

そして、鳥神カルラから舞い上がる。


空中に浮かんだソフィーの横には、もう一体の、頭には光輪、背中に羽を生やした異形が出現した。


ソフィーは、その異形に、ニッコリと笑う。

「ミカエル様、ご一緒に」

なんと、その異形は、天使長ミカエルだった。


ミカエルもソフィーに言葉を返す。

「ああ、ソフィー、実は大天使ガブリエル、まずはこの合成肉を山下公園に着実に運ぶのが、阿修羅様の御指示」

「落としてしまっては、元も子もない」


大天使ガブリエルは、ククッと笑う。

「それにしても、まさか、こんな風にとは思いませんでした」

「格闘をしたくて欲求不満の神霊には、それなりの格闘を」

「秘術を使いたい神霊には、それなりの秘術を」


天使長ミカエルも笑い出した。

「しかも、ルシェールを使って、イエス様の秘術も使う・・・これは面白い」

「そして、最後には、八部衆の見せ場を作る」


さて、大天使ガブリエルと天使長ミカエルが、中華街から運んだ「視肉と太歳の超巨大合成肉」は、無事に山下公園上空にて停止した。、


「さて・・・」

それを確認した阿修羅は、その手を胸に前で合わせる。

すると、上空に超巨大化した、コワモテ顔のクバンダ神が出現した。


「目一杯食いつくすといい」

阿修羅の声が、上空にまで響いた。


華奈が叫んだ。

「あ、赤黒い霧が、全部・・・大きなお肉の中に!」

由香利も叫ぶ。

「そのお肉が、クバンダ神の大きなお口に、吸いこまれていく!」

美紀は、笑い出した。

「まあ、クバンダ神、美味しそうに」


圭子がつぶやいた。

「これで、肉関係の悪霊の始末は終わった」

「でも・・・もう一体・・・白蛇精」


奈津美が、ポツリと一言。

「あの悪霊には、阿修羅よりは、光君のほうが面白い」


ヒバカラ神が、その奈津美の言葉で、クスッと笑っている。

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