第198話奈良氷室神社(2)

光が氷室神社本殿前で祈る姿を見て、母親世代の巫女たちは、様々考える。


圭子

「おそらく阿修羅の戦略なんだろうけれど、氷を何に使うのかな」

奈津美

「蜘蛛も使うよね、朝、子供たちが大騒ぎになっていたけれど」

美紀

「光君ががんばって、一人で春日山に入って、捕獲してきたんでしょ?」

美智子

「春奈は、気づいていながら出遅れたの、そういうところが、おっとりなの」

ナタリー

「いや、おっとりでは、ルシェールも同じ、のん気に構えすぎて一歩遅れることがある」

ニケ

「ソフィーも、賢いフリをしているだけ、案外ウカツ」

圭子

「私の楓なんて、蜘蛛を見て大泣きになるくらいで話にも何もならない」

奈津美

「でも、蜘蛛じゃなかった、氷の話だよね」

美紀

「蠅の神を氷漬けにするのかな」

美智子

「氷室神社は、タイとかコイを氷漬けにするけれどねえ・・・蠅を氷漬けにしても、見栄えが悪いかなあ」

ナタリー

「確かに氷の環境では、蠅は活動できないけれど」

ニケ

「蜘蛛の網にかかった瞬間に、氷漬けになるのかな」


・・・・様々、考えるけれど、思い浮かばないようだ。


母親世代に批判された「候補者巫女」たちは、反発しながらも光つまり阿修羅の意図を探る。


春奈

「どうして、ああ口が悪いのかなあ、おっとりってねえ・・・ついつい出遅れただけなのに、でも、光君はどうしたいのかな」

ルシェール

「私の親も同じ、何かにつけて小言ばかり、それでいてアドバイスはなし」

「うーん・・・光君ねえ・・・氷の魔法でも使うのかな」

「だって蜘蛛嫌いだからしょうがないじゃない、マジで気に入らない」

「ほんと、腹立ったから後で、アイス二つ食べる」

「光君も意地悪だから、光君の分を食べちゃう」

華奈

「そんなことより、光さんの意思を探ろうよ、あんな年寄り巫女の言葉なんて聞くことないって」


ソフィーも、ずっと「母親世代への反発言葉」を考えていたけれど、しかし日本政府としての立場もある。

それよりは、光の考えを探ろうと思った。

しかし・・・全くその考えが読めない。

「マジ?光君ってアホ?実は何にも考えていないとか」

ソフィーの透視能力を目一杯使っても、光の考えは把握できないらしい。


そういう奈良育ち、奈良関連ではない巫女の、由香利と由紀だけが、焦らず光の様子をじっと見ている。


そして、由香利と由紀は、「何か」に気付いた様子。


由香利

「ねえ・・・まさか?」


由紀も由香利に反応した。

「・・・そんなことができるの?」


二人とも、その目を丸くしている。

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