第190話ホテルでの朝食と、そのメンバー

さて、ここのホテルの名物「茶粥定食」が運ばれてきた。

内容としては、

「焼き魚、焚合、二種の小鉢、御味噌汁、大和の茶がゆ、香の物」になる。

また、茶粥は緑茶で炊き上げてある。


光は、今さら少々不満らしい。

「美味しいけれど、すごく美味しいけれど」

由紀は、その光の言葉が気になった。

「オムレツが食べたかったの?」

光が頷くと、キャサリン。

「でも、ここの茶粥はここでしか食べられませんし、実際かなり美味です」

サラも美味しくて仕方がない様子。

「茶粥も美味しいし、お魚も美味しい、カロリーは心配なし、和食もいいなあ」

春麗も、お気に入りの様子。

「なんかほっこりだね、日本のお粥って、中国のはどっしり系になるけれど、でも、こういうのが好き」


ただ、楓は自分で勝手に全員分注文しておきながら、少々物足りないらしい。

追加で、おにぎり頼めないかなとまで、考えている。



そんな朝食が進む中、ソフィーは各テーブルを回った。

そして、出発時間と、午前中の目的地を通知している。

「いいですか?出発は午前9時、第一目的地は春日大社、その次に氷室神社」


光の前にも、その旨を伝えるべきソフィーが来た。

「いいですか?光君、さっきのようなノロマぶりは厳禁ですよ」

予定の通知に加えて、光にしっかりと念押しをする。


光は、そこで押され気味に

「あ・・・うん・・・はい・・・」

となるけれど、付け加えた。

「ルシェールの教会のマリア像と、聖武天皇と光明皇后の陵と、春麗のお饅頭の神社も午前中に」


その光の言葉で、ルシェールと春麗はニッコリ。

それと、ルシェールの教会のマリア像については、キリスト教圏からの巫女のキャサリンとサラの顔も、興味があるらしく輝いている。


ただ、その予定を聞いた華奈が不安そうな顔。

光に声をかけた。

「ねえ、光さん、興福寺はどうするの?」

「八部衆の面々とかに、文句言われない?」

「それにさ、春日大社を参拝して氷室神社はいいけれど」

「どうして、目の前とか、通り道の興福寺を無視して通り過ぎるの?」


その華奈の質問に光は、言葉では答えなかった。

少しだけ笑って、その手をヒラヒラとさせただけ。


すると、途端に全ての巫女の表情が変わった。

圭子は、笑い出した。

「ねえ、あそこに、金剛力士さんが二人で座っている」

奈津美も、おかしくてしかたがない様子。

「人間に変化して、しかもパリッとしたスーツを二人着こんで・・・まさかオムレツ食べている」

春奈の母美智子も、目をパチクリ。

「はぁ・・・美味しそうに食べるねえ、光君も見習った方がいい」

ニケは、また別のテーブルをながめた。

「あはは、八部衆のカルラ神、サカラ神、キンナラ神、ゴブジョー神、ケンダッパ神、ヒバカラ神、クバンダ神は、茶粥にしたみたい」


春奈は、その八部衆の神々の服装にも注目した。

「全員がスタジャン、ジーンズ、スニーカー・・・」

「これは、かなり若ぶっている」


その他の巫女たちは、声も出ない。

ただ、驚いているだけの状態になった。


そんな中、光が口を開いた。

「興福寺に寄るまでもない、実は昨日通りがかった時に、出たい神霊には全部出てきてもらった、東大寺にも浄土にも一緒に行った」

「それから、今朝の春日山にもね」

光は、涼しい顔をしている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます