第185話出現、阿修羅とカルラ神

光の無神経発言で、意気消沈となってしまった楓はともかく、「光のお嫁さん候補者巫女」たちは、蠅対策について活発な論議を始めている。


由香利

「捕獲機とか、殺虫剤とかも必要かな」

由紀

「蠅叩きとか蠅取り紙も」

ルシェール

「蠅の天敵虫って、蜘蛛以外にあるのかな」

華奈は、サッとスマホで検索。

「ガイマイゴミムシダマシ・・・なんか変な名前の虫があるらしい」

「でも、蠅にはいいけれど穀物を食い荒らすらしい」

キャサリンは腕を組んだ。

「そうなると、虫としては蜘蛛かなあ」

サラはキョトンとなった。

「蜘蛛をどうやって使うの?」

春麗も、悩んでいる。

「日本列島全てを蜘蛛ネットで包むの?」


すると黙っていた光が口を開いた。

「うん、それについては考えてある」

かなり自信のある口調。

その目が輝きはじめている。


実は「蜘蛛アレルギーだった」楓が震える声で、光に尋ねる。

「具体的には?」


光は、ますます目を輝かす。

そして、胸の前で手を合わせた。


次の瞬間、全ての巫女が驚いた。

「あっ!」


ホテルの室内に、まず阿修羅が出現した。

続いて、八部衆の鳥神カルラが出現した。


阿修羅が、驚いて声が出なくなった巫女たちに声をかけた。

「空を飛びまわるものについては、このカルラ神に任せる」

「全ての悪を食い尽くす」


カルラ神も、そのクチバシのような口を開いた。

「我らがカラスの一族が空中での捕獲は、全て引き受ける」

「既に全国のカラスにもれなく指示を終えた」


阿修羅が言葉を続けた。

「それから、問題となっている蜘蛛については」

と言いかけて、楓を見て、少し苦笑する。

ただ、言葉はそのまま続く。


「蠅の神が本格的に日本を攻撃する段階になるまでに準備を行う」

「すでに春日山に育ててある」

「しかるべき時に、採集し、その後の措置は、大天使ガブリエルから指示を行わせる」


阿修羅の言葉はここまでだった。

言葉が終わると同時に、阿修羅は光の姿に戻り、カルラ神も姿を消している。


楓が、光の腕を引いた。

「ねえ・・・明日は山に入るの?」

その声も震えている。


光は、いつものハンナリ声。

「そうだね、楓ちゃん、山は詳しいでしょ?」

つまり「山に入る」という意味らしい。


それでも、楓は抵抗する。

「しかるべき時に採取するっていったでしょ?」


光は首を横に振る。

「いや、行く、他にも確認することがある」

光は珍しく厳しい顔になっている。

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