第155話お伊勢参り(6)

光と巫女たちを乗せたサロンバスは、愛知県内の広いサービスエリアに入った。

そして、由香利が光の腕を組んだまま「何か」を売っている場所に、誘導する。

また、由香利に「光を独占されては困る」巫女たちも、ゾロゾロと後に続く。


由香利は、その「何か」を指さした。

「ねえ、光君、これなの、絶対奈良にはないよ」


光は、けげんな顔から、次第に顔が明るくなった。

「え・・・これ・・・袋入りの・・・キャラメル?」

「それも、八丁味噌キャラメル?」

「へえ・・・マジ?面白そう」


春奈は、サッと光の横に立つ。

「へえ、キャラメルねえ・・・でも、八丁味噌のカレーもある」

そして、そのまま買っている。


華奈の母、美紀も興味津々。

「私も八丁味噌好きなの、お味噌買う、あ、ついでに味噌カツのタレも」

この時点で、美紀は荷物が重たくなった。

そのまま、華奈に持たせているので、華奈はむくれている。


ルシェールは、何も言わずに、味噌キャラメルを買ってしまい、それを開けて全員に配っている。


光は、口に入れて、目をパチクリ。

「へえ、しょっぱさと甘味が不思議、でもお味噌の味がする」


由紀は、ずっとしゃぶっている。

「これは、熱中症予防にはいいかも」


ソフィー

「でも、食べだすと後をひくかな」


ルシェールも食べて、フフッと笑う。

「でもね、これ楓ちゃんの好きな味だと思う、さすが由香利さん」


しかし、華奈は不安な様子。

「確かに、美味しい、メチャ美味しいけれどさ・・・」


春奈は、華奈の不安の内容を読んだ。

「わかった、楓ちゃんが食べ過ぎて、太るとか、お母さんの圭子さんに叱られるってこと?」


華奈が頷くと、何故か光が反応した。

「大丈夫だって、心配ない、楓ちゃんが好きそうなもので、珍しいものを買っていけばいいと思う」

「太る太らないは、考えなくていいよ」

「だって、楓ちゃんが、やせると変だし、コロコロしているほうが、楓ちゃんらしいしさ」

そう言いながら、三袋も買っている。


春奈は、また不安に思うし、また光の無粋さに呆れた。

「ほんと、光君って、若い女の子の心理を、まるっきりわかっていない」


ただ、ソフィーはニヤニヤしている。

「いいさ、三袋も買って行って、思いっきり楓ちゃんに文句を言われればいいさ、それを見るのも楽しみだ」


美紀も、そのソフィーの言葉には笑ったけれど、またもう一つの不安を口にする。

「だってさ、お伊勢さんの参道で赤福買うよね、それと味噌キャラメルになるとさ、楓ちゃんの顔が、どうなるのかなあ」


華奈

「・・・マジで、怖くなってきた」

由紀

「どこかで、耳栓買っていく」

由香利

「光君が怒られるのを録画して、何度も楽しむ」

ルシェール

「やはり、光君は、お土産だけ渡して、今回は教会に泊まるべき」

・・・・・

日本人巫女は、そういう反応。


キャサリン、サラ、春麗は、キラキラした日本のサービスエリアが面白いのか、様々なお土産を買いこんでいる。

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