第133話由香利の和風朝食と光の反応

翌朝になった。

キッチンでは、今日は由香利が料理主任。

華奈をサブにして、朝食を作っている。

ただ、そのメニューは典型的な「日本の朝ごはん」。

焼鮭、お漬物、シジミのお味噌汁、玉子焼き、納豆、焼海苔、アミ、葉唐辛子の佃煮である。


珍しく光の、目覚めが早い。

「・・・なんか・・・すっごく好きな匂いがする」

「焼鮭の匂い?お味噌汁?」

「なんか、匂いだけで、お腹が減ってきた」

こうなると着替えも素早い。

少なくとも、いつもの亀ではない。

お腹をグウグウ鳴らしながら、階段を降りて食卓に歩いていく。


由紀も、結局、由香利を手伝っている。

「だって、華奈ちゃんだと危なっかしい」

「それと、由香利さんの手際が、すごく好き」

「鮭の焼き方もいいなあ、火の通し方も、上手」

「何より、味噌汁の香ばしさがいい、はぁ・・・マジでお腹減ってきた」


春奈も、いつの間にか、由香利の手際をみている。

「へぇ・・・やはり築地育ちかあ・・・」

「和食では、かなわない部分がある」

「それに、あの玉子焼きのテリが・・・今すぐ食べたいくらい」


ソフィーとルシェールも、匂いにつられて見に来ている。


ソフィーは、そんな春奈の脇をつつく。

「それもそうだけどさ、さすが由香利さんだよ」

「光君の大好きな、アミと葉唐辛子の佃煮を欠かさない」


ルシェールは、お米の香りにも注目する。

「水だけじゃないね、昆布を少し効かせて炊いているのかな、芸が細かいなあ」



さて、キャサリン、サラ、春麗も、面白そうに見ている。

キャサリン

「ほぼ初めての和風朝食です、とにかく香りが食欲をそそります」

サラ

「全てが、程よく美味しそうです、楽しみです」

春麗も、目をキラキラとさせている。

「中華とは違うけれど、こういうのも好きだよ、身体にやさしい感じ」



その和風朝食が全て人数分できたので、食事が始まった。

そして、注目を集めたのは、まず光の食欲。

「マジで、お米が美味しいし、鮭も漬物も、お味噌汁も玉子焼きも絶品だね」

「それに、この海苔と佃煮、すっごくうれしい!」

巫女全員があっけに取られるようなペースで、どんどん食べていく。


春奈は、その姿を見てうなった。

「そうかあ・・・こういうのが食べたかったんだ・・・」

「私も同じようなものを作ったけれど、これほどじゃなかった」

「関東風だよね、この味付けって・・・」

「やっと母さんが言ったことがわかった」


華奈も、気がついた。

「うん、この味付けは、美味しいけれど、私は奈良育ちだから、少し辛い感じがする」

「でも、光さんには、これがいいんだ」


由紀も、納得している。

「確かに、この全てが美味しい」

「私も、素直に由香利さんに教わろうと思う」


ソフィーは、珍しく二杯目のご飯を口にする光を、うれしそうに見る。

「とにかく元気が一番、若い男の子なんだから、丼三倍でもいいんだから」


キャサリン、サラ、春麗も、日本風朝食には全く問題がないらしい。

光と同じ、ご飯が二杯目になっている。

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