第113話またしても暴走トラックvs光

光は、全速力で走る。

光の目の先は、100メートルくらい向う、人の手を離れたベビーカーが横道からのぞいている。

そして、そのベビーカーが横道を出て、坂道をコロコロと下がっていく。

坂道を下っていくベビーカーの向うから、大型トラックが猛スピードで走って来る。


光はキャサリンに声をかけた。

「キャサリン、母親を探して!」

キャサリンは、

「はい!了解しました!」

光から少し離れて、横道の方角に走り出す。


光は、サラと春麗にも指示。

「周囲の人に声をかけて!」

サラもすぐに了解。

「わかりました、わきによけてもらいます!」

春麗

「はい!必ず!」

そして、サラと春麗は

「すみませーん!少し道をあけてください!」

「お願いしまーす!」

と、大声を出しながら、その走るスピードを上げた。


光は、それを見ていきなり大ジャンプ。

まるで、空を飛ぶように、ベビーカーに向かって大ジャンプ。

そして、あっと言う間に、ベビーカーの前に降り立った。


「キィィイイイ!」


次に聞こえてきたのは、かなり大きな急ブレーキの音。


そして

「キャァア!」

「あぶない!」

「アーーーー!」

おそらく、通行人たちからの大きな悲鳴。

周囲の通行人は、全て目を閉じた。



バタンと、トラックのドアを開ける音がした。

「あぶねえじゃねえか!このガキ!」

「突然、出て来やがって!」

いかにも、無骨そうなダミ声が聞こえてきた。


それで、周囲の人々の目が開いた。

目の前には、ベビーカーを持った光。

そして、おそらく大型トラックから出てきた運転手が、光と対峙している。


光は、その運転手の顔をじっと見た。

いつもの通り、静かな声。

「あぶないのは、あなたではないですか」

「このベビーカーが目に入らなかったのですか?」


しかし、運転手は首を横に振る。

「・・・るせえなあ・・・」

「無事だったんだろ?」

「じゃあ、いいじゃねえか!」

「ったく・・・この忙しい時に!」

「邪魔だ!このガキ!」

踵をかえして、再びトラックに乗り込もうとする。


ソフィーが、突然、その運転手の前をふさいだ。

隣には、地域の警察官を連れている。


そして、運転手を一喝。

「ちょっと!あんた!ふざけんじゃないよ!」

「この朝の人通りの多い時間帯に、とんでもないスピード出して!」

「危険運転致死罪寸前だよ!」

「それを、この光君が止めてくれたんだよ!」


「それから、その積荷は何?」

ソフィーの目は、厳しく光っている。

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