第100話黒幕の正体

光と巫女たちを乗せたタクシーは、ようやく光の家に到着した。

玄関に入ると、由香利とルシェールが飛び出してきた。

そして、華奈と光に、まず注目。

華奈と光は、手をつないだままの状態。


由香利は、その目を輝かせて、二人を見る。

「ほー・・・華奈ちゃんも、いつの間にか、その鏡の秘法ができるようになったんだ」

「少し悔しいけれど、まずは光君が無事でよかった」


ルシェールは、本当にあせり顔。

「うーん・・・危険な状態の光君を救ってくれたのは、大感謝」

「でも、戦闘系のキャサリン、サラ、春麗は無理にしても、由紀ちゃんと春奈さんをさしおいて、華奈ちゃんかあ・・・たまたま・・・かな・・・でも、私には予想外だし、あせる」


全員でリビングに入ると、光が由香利に声をかけた。

「ところでさ、渋谷の航空機のニュースはどうなっているの?」

少なくても、タクシーの中の声よりは、張りが戻っている。


由香利が、テレビのスイッチを入れた。

羽田空港の画面が写しだされている。

アナウンサーが、緊張気味の声で、現地レポーターと話をしている。


アナウンサー

「そうですか、乗員、乗客の全員が渋谷上空での意識が全くないという事ですね」

レポーター

「はい、実はマレーシアから日本の上空に差し掛かった時点で、機内に蠅の羽音が聞こえたとのこと」

「しかし、蠅なので、本来、飛行機の機内にはいないはず」

「ただ、それを聞いてから、すごく眠くなった、富士山上空から意識がないという乗客もたくさんいます」


アナウンサー

「パイロットも、羽田に着いた時点でも、意識が薄かった」

「かろうじて、操縦桿を握っていたとのことですが?」


レポーター

「はい、パイロット自身も何故、無事に着陸できたのか、理由が全くわからないとのこと」


アナウンサー

「後は、公式な調査を待つしかないとのことですね」


レポーター

「はい、とにかく物的・人的被害が全く発生しなかったことだけが、現時点での幸いと言えます」


そこまでの画面を見て、光はテレビのスイッチを切った。

そして、その両手を胸の前で合わせ、「出て来てくれないか」と一言。

次の瞬間、二体の異形が出現した。

そして、光は、そのまま阿修羅に変化している。


阿修羅の声は、重々しい。

「巫女たち、言うまでもないが、天神アポロと天使長ミカエルだ」

「それから、金剛力士たちと天使軍団は、まだ羽田にいる」

「万が一の波状攻撃、第二回目の攻撃の有無を監視してもらっている」


巫女たちが、一様に頭を下げると、まず天神アポロが口を開いた。

「今回の騒動の黒幕も判明しました」

「蠅の王、ベルゼブブ、多くの悪魔と魔物たちを支配する地獄の君主の一人」


天使長ミカエルも、言葉を続ける。

「そのランクは、サタンの次」

「誘惑するもの、人間に悪魔を信仰させ、混乱させ、嫉妬心をそそのかし、戦争に導くもの」

「つまり、これからも無差別、突然の攻撃が頻発すると思われます」


阿修羅、天神アポロ、天使長ミカエルの表情は、ますます厳しいものとなっている。


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