第65話ソフィーの気後れ

さて、光たちは、いつまでも、築地本願寺にいるわけにはいかない。

何しろ「今日の食事カリフォルニアスタイル料理」の材料を買いに、築地市場に戻る必要がある。


そのため、光はキャサリンと、サラに声をかけた。

「あの、キャサリン、サラ、お疲れ様」

「大丈夫、歩くことぐらいはできる」

「その腕をね・・・他の歩行者にも迷惑だから」

つまり、組んだ腕をほどいてもらいたいという意思を伝える。


ただ、キャサリンも、サラも、そんな簡単には光の意思には従わない。

キャサリン

「そんなことを言って、私達を遠ざけるお気持ちなのですか?」

サラも

「いけません、こうしていないと後で車の中で、ソフィーの膝枕でしょ?」


ただ、春麗は、そんな「ちょっとしたバトル」を、フフンと見ながら、強烈な一言。

「ねえ、いいの?今度は光君の唇を奪うよ」

「早く腕を離さないと、カリフォルニアメニューから、中華にしちゃうよ」


それにはキャサリンも困った。

「うん、腕を組んでいる状態では、唇を奪うのは難しい」

サラもしかたなかった。

「確かに春麗は身軽だ、本当にやりかねない」

結局、腕を離すことになってしまった。


光は、そこでやっと自由な身体。

そして「女子同士のバトル」にポツリ。

「はぁ・・・戦闘より疲れる」

「でも、買い出ししなきゃ」

と、言いながら歩きだす。


ソフィーも、その様子を見てホッとしたと同時に、三人のただならない実力に感心する。

「とにかく戦闘には強い、光君への思いも強い、その上、光君と私の膝枕関係も、しっかり見抜いている」

「今も、歩きながら、左右と前をしっかり警護・・・って・・・後ろは私ってこと?はぁ・・・また負けているってこと?」


そんな光が、ソフィーに声をかけた。

「ねえ、ソフィー、いつもさ、こういう戦闘になると、逆に僕たちのほうが、容疑者とか犯罪者扱いで、地域の警察に責められるんだけどさ」

「今日は、本当に事後がスムーズだねえ」


ソフィーは、それに困ったような悔しいような顔。

「それはね、光君、国際問題になるからなの」

「実は空手道場での地域のおバカな警察の話が、すごい問題になってさ」

「今回のキャサリン、サラ、春麗の行動については、アメリカ大使館、ギリシャ大使館、中国大使館の監視、地域警察にも具体的行動まで連絡済み」

「だから、万が一にも、今までみたいな地域のおバカな警察官が暴言を吐くとか、取り調べで連行されるなんてないの」

「そんなことをしたら、今度こそ、とんでもない国際問題になっちゃうもの」


光がまた一言。

「そうか、キャサリン、サラ、春麗は、ある意味VIPなんだ」

「そういう意味もあるんだね」


そんな話をしている光にキャサリン

「ただ、光君の場合は、日本においては、首相直属の特別調査官、日本の行政を糺す意味もあって、隠密のようなもの」

サラもキャサリンを補足する。

「それが、私たちと一緒にいると、完全警護状態になるのです、ますます首相直属調査官の仕事もスムーズに進みます」

春麗も、後ろを振り返って光にニッコリ

「それにね、光君については国際的には超A級の警護をしなければならない存在なの、これからはきっと、日本だけの仕事ではなくなってくるよ」

「その意味もあって、私達が派遣されてきたんだ」


ソフィーは、またしても気後れ状態。

「う・・・全て先を行かれている」

「うーん・・・確かに、彼女たちの言う通りだ」

「光君、海外に行っちゃうのかなあ・・・ついて行けるのかな」

ソフィーの顔には、気後れと寂しさが、同時に浮かんでいる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます