第61話戦闘集団のパニック

ナイフ使いたちの攻撃は、本当に瞬速。

光、キャサリン、サラ、春麗に向けて、様々な角度で、襲いかかる。

しかし、不思議なことに、その攻撃が、全くカスリもしない。


「おい!どうなっているんだ!」

「何故、何も当たらない!」

「目の前に身体があって、まっすぐに突いても、切りかかっても、カスリもしない!」

ナイフ使いたちは、しだいに焦り始めた。


また、ナイフ使いの男たちの後ろに控える拳銃使いも、全く攻撃ができない状態。

「撃とうにも、これじゃ、味方の背中に当たってしまう」

「とにかく、前のナイフ使いの奴らが倒されでもしないと攻撃も何も無理だ」

結局、ナイフ使いの男たちの攻撃を、なぜかかわし続ける光たちを見ているしか手段がない。


また、リーダー格の男も、その直属の子分も、意外な展開に目を丸くする。

「ナイフで脅せば、簡単だとは思ったけれど、いったい何だ、あのガキどもは」

と、リーダー格の男が首を傾げる。


直属の子分も、同じように首を傾げる。

「・・・何故、あの速いナイフが何も当たらない」

「何故、かわせる?」

「つまり、俺たちの仲間よりも、あのガキどものほうが、動きが速いってことなのか・・・」



そんな膠着状態に、少しずつ異変が起き始めた。

まず、上空が少しずつ、黒くなってきた。

遠くの方から、雷の音が聞こえてくる。


リーダー格の男が

「む・・・もしかして雨か?」

「予報では、降水確率は0%だったはず」

と空を見上げると、また雷の音。

しかも、遠くではない、少しずつ近づいている。


直属の子分は、また別のことを気にかけている。

「ポリスのサイレンの音も、激しくなってきた」

「前後、左右、あちこちから聞こえてくる」

「既に囲まれたか」

「囲まれてしまうと逃げるのは困難」


リーダー格の男もあちこちの方角を見て、またサイレンの音で、門を見た。

「出口はあそこだけか、入ってきた門・・・そこから逃げようにも難しい」

リーダー格の男の表情が本当に厳しくなった、その瞬間である。


築地本願寺上空に、大きな稲光が発生した。


「うわ!眩しい!」

集結した戦闘集団は、あまりの眩しさに、全員が目を閉じた。


そして、再び、その目を開けると、全員が腰を抜かした。


まず、目に入ったのは、まさに異様な異形が、東西南北に四体。

また、自分たちの頭上にも四体の異形が浮かんでいる。


戦闘集団たちは、まさにパニックに陥った。


「何だ!あれは!まやかしか!」

「何故、人が空に浮く!」

「東西南北の奴らは・・・見たこともない軍服?」


「上の奴らは・・・あ!降りてきた!」

「銀の甲冑に長剣?」

「白の短衣に弓?」

「あれは中国服と・・・三叉矛?」

「若い娘じゃねえか!」

「それと・・・あいつは・・・化物か!」

雷の音も、一層激しさを増している。

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