第56話戦闘場所は築地本願寺?

その異変には、店主も気がついた。

「・・・こんな音楽など、この築地では流したことがない」

「宮中の音楽?いや・・・どこかの神社とか・・・神楽か?」


すると、更なる異変が発生した。

店員の目が丸くなった。

「店主!男たちが、突然、歩き出しました!」

「もう、この店の肉には見向きもしません」

店主も驚いた。

「ああ、ナイフは胸にしまったようだ、拳銃もだ」

「それより、どこに向かう?」

「そもそも外国人が、神楽みたいなのを聞いて、何故歩き出す?」


しかし、店員と店主がそのように驚いても、筋骨隆々系の男たちの動きは止まらない。

そして全員が一列に、一定方向に進んでいく。


ようやく通路が歩けるようになったので、店員と店主は店を出て、通路に出た。

筋骨隆々系の男たちの様子が気になっていたのか、他の店からも店員や店主たちが、飛び出してきた。


口々に、いろいろなことを言っている。

「何だ?あいつらは・・・肉屋の前で、変な目付きで」

「ナイフやら拳銃とか持ち出していたな」

「やたらに膨らんでいたジャケットを着ていた男もいたぞ、今はもう春なのに」

「聞き慣れない音楽?ああ、神楽みたいなのが流れたら、突然歩き出した」


呆れてみている肉屋の店主に、築地市場の一番外側の店から連絡が入った。

「今、あいつらは、市場を出ていった」

「一斉に歩いて・・・あの方向は・・・築地本願寺かな」

「あ!先頭の男が本願寺に入った!」

「続いて、残りの連中もゾロゾロ入っていく」


肉屋の店主は、そこでまた唸った。

「いったい・・・何が目的だったのか・・・それでも、この肉屋と築地の市場は無事・・・となると・・・あの神楽が?」

その疑問は、肉屋の店主だけではない、不安に感じていた店や大勢の買い物客も、同じように首を傾げている。


築地市場のその動きは、光たちの乗ったソフィーの車のモニターに、即時映されていた。

ソフィー

「ああ、築地市場の防犯カメラの動画を、ここで見られるようにした」


阿修羅に変化した光が頷くと、由香利から連絡が入った。

由香利

「退魔の神楽を流した、悪意、悪念を持った輩を一定の方角に退去させる呪法神楽だよ」


阿修羅は由香利に答えた。

「さすが、伊勢の大神の古来の呪法」

「あれが流れれば抵抗は、悪神とて無理」

「動かざるおえない、止まった時点で身体も霊も破却される」


キャサリンが目を輝かせて、由香利に話しかける。

「さすがです、これで、思いっきり戦えます」


サラの目が光った。

「とにかく全員が築地本願寺に入った時点で戦闘開始です」


春麗も、その目を輝かせる。

「うふ・・・ウズウズする!コテンパンにしたい!」


ただ、阿修羅だけは、まだ慎重。

ソフィーに声をかけた。

「ソフィー、爆弾発見ということで、周囲の住民避難を頼めないか」

「万が一ということもある」


ソフィーも真顔。

さっそく、公安庁に連絡を取っている。

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