第54話戦闘直前の築地

由香利の意図をソフィーがすぐに読み、反応した。

「ありがとう、由香利さん、それでお願いがあるの」

「結界といっても、由香利さんの一族の方を障壁結界にするんでしょ?」

「でも、その暗殺教団を、そのままそこで爆発させるわけにはいかない」


由香利は、ソフィーの意図がわかったようだ。

「そうなると、爆発させる場所というか、戦闘をする場所のことだよね」

「築地の市場ではない所に誘導するということかな」

由香利は、少し考えている。


しかし、すぐに由香利の声が聞こえてきた。

「ソフィー、素晴らしい結界を張れる場所がある」

「そこにするよ」


ソフィーも頷いている。

「そうか、あそこなら完璧」

そして光に声をかけた。

「どう?光君、そこに誘導してもいいかな」


光は、ソフィーの言葉に、その目を輝かせて反応する。

「確かに、戦闘行為を行う場所としては、あの付近では最適」

「ある程度の広さもあり、結界も充分に張れる」

光の言葉が、そこで一旦止まった。

光は、何かを考えている様子。

そして、おむむろに

「由香利さん、どうやって、暗殺教団を誘導するの?」

「おそらく由香利さんの一族というか、一家の人が何らかの接触を持って誘導すると思うんだけど」

と、由香利に質問をする。


由香利の声は落ち着いている。

「光君、それは任せて」

「こういう事例は、今日みたいな暗殺教団以外にもあるの」

「いわゆる筋関係の連中への対応は、わが一家の専門だよ」



由香利のその声を聞いて、光は少し笑った。

そして、またその目を輝かせた。

「由香利さん、もしかして、あの呪法を使うの?」


由香利も、すぐに答える。

「そうだね、とりあえずそれで誘導、もしかすると違うのも使うかもしれない」


光と由香利が、そんな話をしていると、ソフィーが会話に加わってきた。

ソフィー

「今、透視しているんだけどさ」

「かなり密集してきているみたい」

「最初は冷やかしで歩いていたけれど」


キャサリンの目が光った。

「肉屋周辺ですね」

「おそらく、その暗殺教団のトップが手下に指令を出して・・・」

「由香利さんの一家の人に、文句を言い始めています」


サラも目を光らせた。

「一番前の男が、毒付きナイフ」

「二番目の男が、拳銃を」

「どうやら、肉屋にターゲットを絞ったのかな」

「密集速度が早くなっている」


春麗の目が厳しくなった。

「とにかく急いだほうがいい!」

「由香利さん!最初の結界を張って!」


由香利も、春麗の声に反応した。

車内スピーカーを通じて、不思議な結界呪文が聞こえてきた。


途端に、光の身体は阿修羅に変化、ソフィーの背中には羽が生えた。

また、キャサリンは銀の甲冑にアーサー王の聖剣姿。

サラは、純白の短衣にアルテミスの神弓姿。

春麗は、真紅の中華ドレスに三叉矛を携えている。

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