第52話地下の大浴場?大量のバラ

午後の授業も全く平穏に過ぎ、放課後となった。

いつもの通り、華奈が教室まで光を迎えに来たけれど、由紀、キャサリン、サラ、春麗が、光の周囲をガッチリと固めているので、全く入り込めない様子。


そんな華奈の焦り、ガッカリ顔を見抜いたのか、キャサリンが華奈と由紀に声をかけた。

「ねえ、華奈ちゃん、それから、由紀さん、少しお願いしたいことがあるの」


華奈と由紀は、キャサリンからの予想外の声かけで、目を丸くした。

ただ、じっと聞く以外にはない。


キャサリンは、言葉を続けた。

「光君と私たち、それからソフィーも、これから夕飯の材料の買い出しで、築地に行くの」

「それでね、本当は華奈ちゃんとか由紀ちゃんも、一緒にって思ったけれど」

「それだと人数が多すぎて、人混み雑踏の築地だと、大変なの」


華奈は、「人混み雑踏」を気にした。

「うん、確かに人混み雑踏では、この人たちも、まさか光さんにフラチなことは出来ない、それに私は伸び伸びと奈良で育った、あまり人混みは好きじゃない、望むのは光さんと二人きりだしなあ」


由紀は冷静、キャサリンの次の言葉を、しっかりと聞こうと思っている。


キャサリンは、言葉を続けた。

「で、ルシェール、春奈さんも含めて、準備して欲しいものがあるの」

これが、キャサリンのお願いのようだ。

「何かのメモ」を、由紀に渡している。

華奈も、スッと由紀に近寄り、一緒にメモを見る。


由紀は、そのメモを見て、途端に面白そうな顔になるけれど、首を傾げてしまう。

「ほー・・・これはこれは・・・ウンウン・・・」

「これを作ればいいのか・・・て・・・でも、どうやって?」

華奈は、途中から「意味不明」の顔に変化した。


その二人の表情が気になったようだ。

光が、二人に声をかけた。

「あのね、隣のアパートの地下なんだけどさ、父さんが大浴場を作ってあるの」


それを聞いた華奈

「え?マジ?」


由紀も

「昨日の晩、気づかなかった、光君、説明もしなかったじゃない」

と、少しムッとした様子。


ただ、光は、少し笑った。

「昨日の段階では、まだ掃除が終わっていなくてね」

「今日の午前中から、業者が入って、掃除とか、再整備、再点検しているはず」

「今は、ルシェールが見ているかなあ」


ますます首を傾げる由紀に、そのルシェールから電話が入った。


ルシェール

「ねえ、すっごい豪華な地下大浴場だよ」

「ジャグジーもサウナもある」

「トレーニングルームもあるね」

「とにかく大きなお風呂だ」

「これなら巫女全員で入れる」

ルシェールが、そこまで話して、少々の「間」があった。


そして、ルシェールの次の声が、ガラッと変花、焦り声になった。

「それでね、由紀さん、とにかく早く華奈ちゃんを連れて、帰ってきて!」

「アメリカ大使館から、ものすごい量のバラの花が届いたの」

「おそらく、キャサリンの何かの考えだと思う」

「とにかく、私一人では無理な量です」


キャサリンが、ニコニコと説明をはじめた。

「はい、今日はバラ風呂にします」


由紀と華奈は、あっけに取られている。

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