第47話由香利の一家?華奈への不安

そのソフィーから言うまでもなく、由香利は素直に

「まあ、私の一族というか、もっと言えば一家かなあ」

とまで言って、少し笑う。


春奈は、そこで気がついた。

「つまり、由香利さんのお家は日本橋で、築地にも影響力が強いということは」


由紀も気づいた。

「あ!わかった!江戸の大親分の一家?」


由香利は、そこで笑った。

「あはは、大親分って時代劇じゃないんだから」

「巫女の系統としては、伊勢だけどさ」

「江戸の時に一族が分化、こっちでは、その稼業さ」

「稼業と言っても、チンピラじゃないよ」


ソフィーが由香利の言葉を補足する。

「そうだね、一般人には手を出さない」

「あくまでも、その業界内部での抗争はあるけれど、法を犯すようなブザマなことをしないで、それでいて最強の力を持つ不思議な一家さ」

「それだから、公安も黙認というか、逆に信頼している、情報収集能力とか、諍いを丸く収める力とかね」


そんな話を聞いてキャサリンは不思議な顔をする。

「マフィアでもなくて、地域の裏社会に影響力?」

サラも首を傾げる。

「うーん・・・想像もつきません」

春麗は、ニコニコと笑う。

「ほーー、もしかすると、その実態が見られるのかな、これは面白い」


ずっと黙っていた光が口を開いた。

「じゃあ、そうなると、ソフィーも見に来るの?」

「まあ、春奈さんとか華奈ちゃん、由紀さんは、危ないからこっちに残っていて欲しい」

光は、珍しく真顔になっている。


春奈は、光の真顔が不安になった。

「ねえ、光君、さっきから言っていることが怖いんだけど」

「それはね、私達みたいな戦闘系じゃない巫女が行くと、足手まといかもしれないけどさ」

「もうちょっと、中身が知りたいなあ」

「それは、教師としてなんだけどさ」


由紀も春奈に続いた。

「うん、それは私も春奈先生と同じ、同級生として」


光は、そこで考え込んだ。

珍しく、少し迷っている様子。

そしてポツリ。

「言い方が難しい、春奈さんと由紀さんだけなら大丈夫なんだけど」


その光の次の言葉については、巫女全員が聞かないでもわかる。

ソフィーは頭を抱えた。

「そうかあ・・・華奈ちゃんか・・・何をしでかすかわからないし」

由紀も、困った顔。

「築地で大騒ぎして、お寿司食べたいとか、言い出しそう」


春奈は、去年の夏のことを思い出した。

「そういえば、ボクシング部の連中に不用意に簡単に呼び出されて、公園の木に縛り付けられて、顔殴られたっけ」


光は春奈の言葉に続いた。

「ボクシング部なんてもんじゃなくて」

「拳銃とか刀を持った連中だからさ、連れていけない」


ソフィーは、光の言葉で、早速、華奈の母美紀に連絡を取った。

「とにかく、明日は学園休ませてもいいから、縛り付けておいてください」


美紀も、ソフィーの意図をすぐに察したらしい。

「そうだね、足手まといの最たるものだね・・・それがいいんだけどさ」

美紀は、そこで少し声を低くした。

「華奈は、さっきから、大むくれなの、仲間はずれだの何だのってさ」

美紀の声には、華奈への呆れが混じっている。

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