第31話史上最強空手VS金剛力士(1)

さて、光や巫女たちから見れば、かつての柔道オリンピック監督の坂口と金剛力士。「自称史上最強」の空手着集団からみれば、かつての柔道オリンピック監督の坂口と筋骨隆々のスキンヘッド大男二人は、光たち一行と空手着集団の真ん中に、割って入ったまま、まずは光たちに一礼


阿形が

「富士山麓以来、ずっと出番がなくてつまらなかった」

「どうも、身体がなまってしまってさ」

というと、光の目が輝く。

「それもそうだ、確かにお前たちに、何かをしてもらうなど、全く必要がなかった」

と声をだすけれど、声そのものが、全く阿修羅の声、光の間延びした声とは全く異なっている。


華奈が、吽形に声をかける。

「吽形さん!おひさ!華奈だよ!」

「最近ね、あちこち、ボリュームアップしているの!ねえ、セクシーになった?」


華奈の発言を聞いて、春奈は顔をしかめ、キャサリン・サラ・春麗は「意味不明」と聞き流すけれど、吽形は華奈をじっと見て、ニコニコとする。


ただ、いきなり現れた三人連れは、空手着集団たちには、本当に気に入らないようだ。

師範代は一応、慎重な態度を示しているけれど、弟子たちが騒ぎ出した。


「おいおいおい!なんだ?そこの図体でかいウスノロ三人!」

「いきなり俺たちの訓練途中に、ノコノコでてきやがって!」

「邪魔だ!」

「相手にならないってどういう意味だ!」

「お前らも、そこの女を連れたガキと同じに、ボコボコにされたいのか!」

「いいか!おれたちは史上最強なんだ!」

「さっさと道を開けて、逃げ帰れ!」

「ああ、わび代も置いていけ!」

「半端な金じゃあ、許さねえぞ!」

・・・・・

とにかく、大騒ぎをはじめた。

そのような状態の中、次第に周囲の通行人も集まってきた。

そして道を歩こうにも、光と巫女たちの一行、そして空手着集団、坂口と金剛力士が紛した大男二人は、どうみても一般人の通行の妨げとなっている。


坂口が口を開いた。

「おい、そこの師範代とやら、俺の顔はわかるな」

坂口の表情は、いかにも超余裕な感じ。

空手道場の師範代も、少し押されている。


坂口は、言葉を続けた。

「まあ、こんなとこで、一般人の通行の邪魔になっていても、それはよくない」

「お前たちは、史上最強と言うのなら、ひとつ、この大男二人に空手を教えてくれないか」

「ああ、怪我をしたら、この俺が責任を持つ」

とまで言って、師範代の顔をじっと見る。


師範代は

「ああ・・・そういうことなら・・・」

そこまでは言うけれど、少々不安な様子。

師範代も、金剛力士が紛した大男二人の力量が、並々ならないと感じているらしい。


坂口は、また言葉を続けた。

「いいか?確認しておくが、俺が怪我の責任を持つ範囲は、この大男二人が怪我をした場合に限る」

「つまり、お前たちは、史上最強なんだから、この大男の攻撃なんぞ、カスリもせずってことなんだろう?」

「まあ、どこまでが、本当か、アヤシイけれどな」

坂口は、そこまで言って、クックと笑う。


師範代の顔色が、そこで変わった。

どうやら、短気な一本気な性格のようだ。

そして、顔を真っ赤にして、坂口に言い放つ。


「いくら、柔道の元オリンピック監督って言っても、言い過ぎだ」

「俺たちは空手だ、それも史上最強なんだ」

「とにかく、全員、道場に来い!」


師範代の言葉で、全員が空手道場に向かうことになった。

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