第28話史上最強?の空手着集団

さて、光たち一行は、外国人転入巫女、そして光家隣接アパートに入居するキャサリン、サラ、春麗の細々とした生活用品買い出しと近所の散歩を目的として、歩き出した。


キャサリンが光に

「本当に日本の春ですねえ、あちらこちらに桜の大木があってきれいです」

と言いながら、さっと右隣に立つと

サラも

「本当ですねえ、これはギリシャでは見たことがありません」

と、同じようにさっと左隣に立つ。

春麗は、一瞬出遅れたけれど

「桜もきれい、でも、この小さな商店街も面白そう」

と、いつの間にか、光の前を先導するように歩く。


これには、春奈も驚く。

「とにかく警護の姿勢が徹底している、入り込めないほど」

華奈も、うなった。

「安心感抜群と言えば、そうなるけれど、少し悔しいなあ」


しかし、春奈も感じた通り、キャサリン、サラ、春麗の光警護は万全、全く入り込めない。

ただ、呪力も強く、戦闘力の強い巫女なので、ある意味、安心感があるのか、少しずつ春奈と華奈の表情も和らいできている。


春奈

「お嫁さん候補は、どうせまだまだ先だよね」

華奈

「うん、いつかは華奈になるけれど、まだまだ先だ」

春奈

「華奈ちゃんは、来来世かなあ、ギリギリで」

華奈

「いや、そんなことはないけれど」

春奈と華奈の会話も、安心感そのもの、結果として歩みものんびりとしたものになる。


一行が、そんな道中を数分続けた時点で、いきなり春麗が光に振り向いた。

そして、光に声をかけた。

「ねえ、光さん、彼らを知っている?」


光が春麗の顔を見て、そして前方を見ると、空手着を来た集団、五、六人程度だろうか、一斉に列を作って走ってくる。


光は目をこらした。

そして

「ああ、知っている、近所の空手道場に通う学生たち」

「自分たちでは、史上最強の空手って言っているよ」

「僕は、全く興味なし」

と、すぐに目をそらしてしまう。


するとキャサリンが反応した。

「へえ、史上最強なんですか・・・空手が?見てみたいですねえ」

サラも、すぐに反応

「私も、飛行機にずっと乗ってきたので、身体がなまってしまって」

と、身体を動かしはじめた。


しかし、光は乗り気ではない。

「だってさ、彼らの史上最強って、あくまでも自称だよ」

「そもそも、弱いよ、見る価値もないって」

とにかく面倒な顔。


春奈も、光に同調した。

「とにかくさ、相手から仕掛けられたら、仕方ないけどさ」

「実力差もあるんだから、こっちから出向くことないでしょう」

と、キャサリン、サラ、春麗に自制を求める。


ただ、華奈だけは、その空手集団を見て、顔をしかめた。

「でもね、光さん、あの集団って、少し危ない」

「空手の実力は、たいしたことないけど、時々武器みたいなのを使って、弱気な男の子とか、下級生にカツアゲしているって聞いたことある」

「なんでも、親が地域の暴力団員もいるみたいだよ」

「でも母さんが言うには、そういうのを隠して、地域の清掃とかは熱心みたい」

光は、その言葉を聞いて、目を輝かせ始めている。

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