第14話巫女たちのテレパシー会話

華奈は結局、光の腕を組むことは出来なかった。

何しろ廊下に出た瞬間、キャサリン、サラ、春麗が光の周囲を固めてしまった。


少しうつむいてしまった華奈に、由紀が話しかける。

由紀

「しかし、すごい警護だよね、入り込むスキが何もない」

華奈

「そうだよねえ、ケンカしても口でも体力もかないそうにないなあ」

由紀

「アーサー王、アルテミス、九天玄女かあ・・・うーん・・・」

由紀も下を向いて考え込んでしまった。

やはり、かなりプレッシャーを感じている様子。


それでも華奈は話題を変えた。

「音楽の名手って言ったら、光さん、突然顔色変わったよね」

とにかく、落ち込んでいるだけの状態から、一歩抜け出そうと考えたようだ。


由紀も、少しでも理性を取り戻そうと思った。

「もしかすると、阿修羅レベルで何か知っているのかな」

「光君が、知っているわけがないし」

「音楽部かなあ・・・彼女たちも」


そんなことをブツブツ話し合っていると、キャサリンの声が突然、二人の耳に飛び込んできた。

「由紀さん、華奈ちゃん、私はトランペット」

そして次にサラ。

「私はチェロだよ」

最後に春麗。

「私はフルート」


それを耳にして、華奈は慌てた。

「・・・巫女のテレパシーだ・・・」

由紀も、すぐに理解した。

「口に出さずとも、テレパシーで伝えてくる」

華奈と由紀が驚いていると、また「テレパシー」が二人の耳に飛び込んできた。


キャサリン

「さっきは言いすぎたかもしれません、しかし、光君を守るには、それくらいの意気込みが必要と表現したかったのです」

サラ

「とにかく、敵との戦いにおいては、私たちは仲間です、光君を射止めるかどうかは別問題ですが」

春麗

「どうせね、光君って、すぐに決まらないというのは、日本に来る前からわかっていた、ナマケものはハッキリ理解した」

「でね、当分は私たちとあなたたちの戦闘はないよ」


今度の「テレパシー」にも、華奈と由紀は驚いた。

そして、華奈も「テレパシー」にて、文句を言い始めた。

華奈

「あのさ、マジ、言い過ぎ!光さんの何を知っているっていうの?光さんって実際に接してみないとわからないって!」

由紀も華奈に続いた。

「とにかくね、勢い込んで入って来るのはいいけれどね、光君の扱いは、本当に神経を使うの、腫れ物を扱うような感じだよ」


キャサリンが応じた。

「はい、それもありまして、これからの音楽部の話し合いの後、日本におられる候補者巫女さまたちと、じっくりと話し合いをしたいと思っています」

サラも続いた。

「春奈様、ソフィー様、由香利様、そして現在最短距離にいるルシェール様もお呼びして・・・」

春麗が最後に場所まで指定してきた。

「場所は、光君のお屋敷にしよう、和室とコタツに興味があるの」


由紀は、またしてもがく然となった。

「やはり、ルシェールが最短って見られているんだ・・・うーん・・・」

華奈は、また別のことを考えた。

「ルシェールはともかく・・・勝手にこういうことすると、楓ちゃんがメチャ怒る、それが怖い」

さて、巫女たちが「テレパシー会話」を続けていると、音楽室が見えてきた。

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