第9話校長の分析

外国人巫女三人と日本育ち巫女4人の険悪な雰囲気はともかく、始業式の時間は迫っている。

校長が口を開いた。

「そろそろ、始業式の時間なのですが」

やはり、校長の言葉も、この雰囲気では慎重になるしかないようだ。


その校長の言葉に光が反応した。

「わかりました、それでは、ホールに出向きます」

亀の光にしては珍しく、スッと立ち上がる。

逆にいつもは「光亀芋虫論」を主張する日本育ち巫女は、うなだれているせいか、少々立ち上がるのが遅れた。


すると、そんな日本育ち巫女を見やりながら、キャサリン、サラ、春麗がスッと立ち上がり、早速光を取り囲む。

キャサリン

「何があるかわかりません、しっかり警護いたします」

サラ

「余分な神経は使わず、全てお任せください」

春麗

「とにかく、ホール直前までは私たちが警護いたします」


光は「え?」という顔になるけれど、とても抜け出せないような囲まれ方になっている。

そして、やはり光らしい。

抜け出すことも、簡単に諦めた。

「じゃあ、途中まで一緒だね、時間も迫っているから、行こう」

何とも間延びした声を出して、歩きだしてしまう。


先手を取られてうなだれるだけの日本育ち巫女に、校長が声をかけた。

「つまりね、彼女たちは、光君の警護のために来ているのです」

「それが第一目的です」

「ですから、そこまでは納得してください」


それを言われた日本育ちの巫女は、ようやく顔を上にあげた。

そして、ブツブツ言い始める。

春奈「とにかく強すぎ、三人ともパワー満点、つけ入るスキがない」

由紀「私たちは呪力による警護だけど、彼女たちは呪力も最強、戦闘力も最強クラス・・・とても・・・」

華奈「私今の段階では全て格下だ、天照様の巫女って言っても、呪文間違えてばかりだし、戦闘なんて無理だもの」

ソフィーも頭を抱えた。

「いきなり、こうも実力差を見せつけられるとねえ・・・剣道日本一くらいじゃ、通用しない相手さ」


そんな、うなだれる日本育ち巫女に、校長が再び声をかけた。

「それとね、第二の目的と言いましょうか」

校長の目の光が強くなる。

その強くなった校長の目を見る日本育ち巫女たちに、校長は言葉を続けた。

「つまりね、彼女たちも、光君のお相手の有力候補です」

「その目的もあって来ているのですから」


一層、表情が変わった日本育ち巫女に、校長は解説した。

「彼女たち、つまり、あるお方の依頼に基づいて、彼女たちを送り出した霊界の各グループも、強い跡継ぎが欲しいんです」

「キャサリンはケルト神のグループ」

「サラはギリシャ、地中海の神々のグループ」

「春麗は、中国の神々のグループ」

「その彼らのグループにとって、跡継ぎの血の中に、阿修羅の力を使える光君の遺伝子が加わるとなれば、ますます、そのグループの力は強大なものとなる」

「逆に、別のグループに取られてしまうならば、相対的に自分たちのグループの力は低下する」

校長は、ここで一息をついた。

「ですから、ここで、あなた方日本育ちの巫女様たちに、強い言葉を放ったのも、自分たちに有利に光君獲得レースを運びたいがため」


ソフィーが口を開いた。

「ほぼ、校長先生のおっしゃる通り・・・でも・・・ねえ・・・」

ソフィーはそこまで言って春奈の顔を見る。

春奈は「うん」と頷いた。

ソフィーの言いたいことがわかったようだ。

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