相合い傘
雨の日に、ひとつの傘にふたり入って、並んで歩くのがすきだった。
少しクセのある柔らかい髪、眠そうな顔、綺麗な形をしている耳。
君を近くで見られるから。
私は、君の横顔がたまらなくすきだった。
本当に言いたい言葉は、雨に流されてしまった。
嘘だけが、はっきりと響いた。
「私たち、別れよっか」
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