第12話 チーム分け
やることは皆同じだけれど作者探しに意気込みを見せる、私、フォルト、アンナ、ミリー。
興味ないけど付き合わざる負えないことになった、シオン、ジーク、リオン。
リオンは小説を読んだことがあるようだけれど、それほど思い入れはないようだが私の探そうと言う提案にはお付き合いしてくれるそうだ。
なんだかワクワクしてきたわ。
「でっ、これが学園で購入レポート用紙ということはわかったけれど。どうするのさ?」
めんどくさそうに、シオンはそう切り出しつつ、焼き菓子を口に運び、なんだこれ、うまっと顔がほころんだ
「そうですね、まずはこのメモ用紙を購入した人物を特定しなければですね」
私は自信満々にそう答えた。
「あの、僭越ですがレーナさま、レポート用紙は課題の提出にも使用されるので、購入者となると、期間にもよりますが学園の生徒の大半が該当してしまいますし。メイドや従者に購入を頼む方もいらっしゃるので、それこそ膨大な数となり、売ったほうも誰に販売したかは正確に覚えてはいないでしょう」
ミリーが挙手してそう答える。
「そうだな、今のままでは該当者がかなり多くなりそうだから、もう少し絞らないとかなり厳しいと思うが……」
ジークもいつもの考察ポーズをしながら、メモの購入者をいかにして絞るか考えているようだ。
「あの、リオン先生の時もそうでしたが、学園に新しくこられた方って噂になることが多いのです。なので、とりあえずは生徒に聞きこみをして、作品を書いた時間など考えて、とりあえず、ここ1年くらいの間に学園に来られた大人に絞ってはいかがでしょうか?それも数が膨大ならば小説の内容的に、経験がかなりいると思うので年齢層高めからあたりをつけるのはいかがでしょうか?」
ミリー、ジーク、アンナの提案により、私達は聞き込みしてターゲットを絞ることにした。
「皆で固まって探すより、チーム分けして先に見つけたチームの勝ちという風に勝負にしたほうが早く見つかるかもしれませんのでチームを分けますね」
ということで、私、アンナ、ミリー、フォルトのニコル・マッカート好きチームと。
シオン、ジーク、リオンのニコル・マッカートそんなに好きじゃないチームでざっくり別れることを提案してみた。
「あのさ、レーナ様、普通にざっくりメンバーわけしてくれたけど。このチームの分け方って何?」
「えっ、そりゃ。小説のファンチームと、そうじゃないチームですね。作品への愛情の差が勝敗に関係あるかなと思いまして」
「なるほどなるほど~そういう理由ね」
シオンはチームのわけかたの説明に納得したようだ。
それにこの分け方にした理由は他にもある。私じゃジークの監視としては使えないからシオン、リオン、ジークのひとまとめにしておけば、ジークだけ離脱すればすぐにわかる。監視という意味も兼ねられて一石二鳥なのである。
よし、がんばって聞きこみして捜すぞーと意気込むファンチームと。
何でこんなことしているんだろうというのが顔にでている、そんなに好きじゃないチームの捜索は始まった。
アンナとミリーは男子生徒から情報を聞いてくれるし。フォルトはそれならと女子生徒から情報を聞く。
よし、皆にだけ任せるわけにはいかないわ。私も! と意気込んでみたけれど、レーナ様は聞き込みしてわかった内容をまとめてくださいと言われて書記係とかしていた。
私だっていろいろ聞いて回りたかったのに、なぜ書記係やっているのだろう? と思えば、ファンかファンじゃないかで分けたつもりがアンバー出身者100%を集めてしまった結果となっていた。
そう、このメンバーはやたら私に対して過保護であったのだ。
「あの、そこの赤色の髪の方、聞きたいことがございまして、少し私とお話を……」
そう男子生徒に話しかけたところ、瞬く間にアンナとミリーがやってきて気が付いたら私はちょっと離れたところにポツンといた。
アレ?
いや、男性に話しかけるのは駄目だったかと。
女子生徒に声をかけたらかけたで。
フォルトが「此処は俺が聞いておくから、レーナは皆から聞いた話をまとめておいてくれるか?」と言ったが最後、もう女子生徒は私のほうではなくフォルトの顔を見つめてしまっていた。
えっ?
皆過保護すぎる。
というか、私へのガードがこのレベルだと、私これ以上交友関係広げるのって無茶苦茶至難の業じゃないかしらと思う。
結局頑張ってはみたものの、周りの鉄壁のガードを破ることができなかった私は、大人しく皆からの情報を一人適当な椅子に座りメモすることにした。
とにかく今日の聞き込みでわかったこととしては、学園にかかわる大人の入れ替わりはほとんどないと言うこと。
学園はとても重要な機関ということも関係しているのだろうけれど。
とにかくこれで結構絞り込めそうだわ。
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