アカシックレコード


 ネット炎上を含め、様々な問題が未だに残っていると考えられたのは――十年前の西暦2010年頃と思われる。

インターネットが加速度的に発展していった際には、このような事になると誰が予想したのだろうか?

後にネット炎上をSNSテロと考え、悲劇の連鎖を止めようとした人物も現れるが――詳細が不明な個所が多い。

その理由の一つとして、まとめサイト管理人等が嘘の事件をねつ造、事実を隠す、ある芸能事務所を神化するべく細工――。

こうしたネット上における紆余曲折が、事実を伝えていない事に繋がり――悲劇を繰り返す結果となった。

 それをよしとしなかった日本政府は――ある決断を下す。それが、ネット上でも物議を呼んだデスゲーム禁止法案だ。

厳密な名称は難しすぎて覚えづらい関係もあり、歴史の教科書以外ではデスゲーム禁止法案で通る。

その後、様々なガーディアン勢力が生まれては消え――コンテンツ市場を正常化する為に戦っていた事は、あまり知られていない。

「ARゲームの流れは変わっていく――。いつまでも昔の時代が通じると思ったら大間違いであり、彼らは慢心していると断言してもいいだろう」

 オケアノスが今のような状況になる前――そのような事を発言していた議員がいた。

彼が草加市の観光事業強化案のプレゼンを草加市役所で行った際、このような発言をしていたと記述が残されている。

ネット炎上に関する件(くだり)も、その際に説明された物だった。これを聞いた議員達は『何を馬鹿な事を――』と言う事で、スルーしていたと言う。

【他の聖地巡礼の事例を参考にしたのか? 大洗とか――】

【そこまで連携できているとは思えない】

【しかし、オケアノスの構造は明らかに一企業だけで実現できるレベルではない】

【確かに――太陽光発電や水力発電技術や一部の建造物に関するノウハウ、土地の確保等は連携が出来ていないと難しいな】

【そこまでして、草加市はARゲームで聖地巡礼をやろうとしているのか?】

【ハイリスク、ノーリターンにしか思えない。それだったら、芸能事務所Aのアイドルショップを――】

【そうしたネット炎上案件を懸念しての――オケアノスではないのか】

 まとめ記事のコメントには、様々な意見が書かれている。ざっくりと見た限りでは、賛成派の数が反対派よりも微妙に多い程度か。

反対意見も正論に聞こえるかもしれないが、炎上させようと煽っているコメントばかりで正しく意見を述べている物がない。

このような状況でオケアノスを立ち上げたのでは、ある意味で見切り発車と言える。

しかし、何故にこのような事を草加市が――と言われると、様々な疑問も出てくるだろう。



 ネット上で謎のレポートを発見し、その詳細をチェックしていたのはフレスヴェルクだった。

彼が探していた物とは違うのだが――ネット上ではねつ造記事で隠されていた物ばかりだった事もあり、内容に関して新鮮だと――。

出来事としては数年前の物出あるのは間違いない一方で、こうした記述がネット上に拡散される事はない。

草加市の聖地巡礼に関する条例は、当時こそはネット上でも拡散されていた。しかし、しばらくして別の話題に持っていかれた。

その話題と言うのが、有名歌い手の不倫騒動だったのである。これによって――聖地巡礼法案は相手にされる事がなかったと言う。

 西暦2015年にはオケアノス計画は水面下に進行し、西暦2018年には一部の芸能事務所に気付かれた結果――ネット炎上する事となる。

その際のネット炎上した一件は記録が多いのだが、捏造記述も混ざっており真相は不明に等しい。

 西暦2020年2月、ARゲームで新たな聖地巡礼を考えていた埼玉県は草加市の一角に拡張エリアを計画、それがオケアノスと呼ばれるようになったのは有名である。

「そう言う事だったのか――」

 フレスヴェルクがタブレット端末でまとめサイトを見ていると、それとは別にサイトのリンクが記事にある事を確認した。

URLに関しては閉鎖されているような物ではなく、有効なサイトのようだが――下手をすればウイルスを拡散しているサイトの可能性も否定できない。

その一方で、オケアノスで閲覧できるネット記事全般はブラクラや悪質なフィッシング、炎上目的のまとめサイト等をシャットアウトしている。

フレスヴェルクは、そう言った事実がある事を気付かずに該当するURLに指でタッチした。

「これが――探していた物か」

 辿り着いた場所はサイトと言うよりは。アーカイブ的な作りをしているサイトだったのである。

申し訳程度にバナーがあるのだが、そこには衝撃的なタイトルがつけられていた。

【アカシックレコード】

 ネット上でもオカルト的な意味で使われているのだが、このサイトでは全く違う意味で使われている。

サイトの形状自体が都市伝説だったりオカルト的な物を思わせるのは――仕様かもしれない。

サイトマップは一切なく、リンクが色々と作られている気配がする。明らかに素人がサイトを作ったと明らかに分かる構造をしていた。

 しかし、このようなサイトになっているのは何かを隠す為のフェイクとも彼は判断する。

「ビンゴだ――このサイトが、例の真犯人につながる情報を――」

 しかし、真犯人につながる情報を発見は出来なかった。

短時間のアクセスで発見しろと言うのが無理難題なのだが、このサイトを発見した場所が――コンビニの前だったのもある。

仕方がないので、彼はリンク先で発見したデータのみをダウンロードして別の場所へ移動する事にした。

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