猿
猿がいる
向こうの方に猿がいる
おい
ここではない向こうの方に猿がいるぜ
おれはお前に話しかける
お前は無言で頷く
おれは双眼鏡を使って確認する
間違いない
「あれは猿だ………」
珍しいなあ
猿がいるよ
しかも元気いっぱいに走り回っている
あれは良い猿だ
おれにはわかった
おれはちょっと猿には詳しいんだ
あいつらの目を見ればわかる
あれは良い猿だ
猿がこっちに気付いた
おそらくおれたちの仲間になりたいのだろう
ふふ
優しく微笑んだ
人間にとても良く似た猿だった
かつてはそいつらも人間で
多数決によってあっち側に分類されたのだ
猿がゆっくりとこちらに近付いて来た
おれは手の平の上に餌を乗せ
そっと猿の方へと差し出した
指先を引っ掻かかれ血が飛び散った
散弾銃ですかさず生命を奪い取った
死んだら何処に行くのか? なんて考える暇も無い速度で
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