きみへ

わかっているよ

きみはもう十分、戦ったよ

だからもう無理しなくていいよ

そこでゆっくり休みなよ

黒髪をなびかせ

たった一人で

よくそこまで持ったなそれが正直な感想だよ

きみは何も言わなかったけど

ずっと寂しかったはずだよ

誰もそばにいなかったから

だからきみはもう一人の自分を友達にして

よく話しをしていたね

本当に頑張ったね

今となっては水の泡かもしれないけど

もしかしたら何もかもうまくいくのではないかって

一瞬そう思えた季節があったことは本当だよ

それだけで凄いよ

こんな世界で

夢と希望が満ち溢れるかもしれないなんて

奇跡だよ

今は灰色の雲が空を覆い尽くして

それが現実になってしまった

きみは無残に散った

ある日、再起不能になってしまった

ねえ

いつか出会った

わたしのことを覚えているかな?

あの日、きみと出会って

全てが変わったそんな気がしたよ

きみみたいになりたいって強く願ったよ

わたしの理想だよ

まだ意志は途絶えていないよ

必ずやり遂げてみせるよ

目を閉じれば思い出せる

凛々しく孤高に戦ったあの後ろ姿を

ねえ

そこで見ていてよ

負けても最後は派手に砕け散ってみせるよ

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