毒が

毒が混入された水を

とてもうまそうにきみは飲み干し

そして笑った

わたしはひたすら傍観者だったから

記述のみを行った

○月×日、きみが狂い始めた

そしてきみは狂い始めた

まだ大丈夫だと思いながら

既に正常な判断は出来ていなかった

放り出していた

自分自身を屑籠の中へと

毒が混入された水が

平然と各家庭へと送られてくるのだ

それが歴史によって量産される被害者なのだ

わたしたちは被害者の会を結成した

そしてなんでやねん

まるで見当違いなことばかりを主張した

御惣菜の餃子のパックにタレを一緒に入れるなべとべとするから

そんなのどうでもええねん

頭おかしいねん

毒が身体へ回り始めた

毒が混入された水をよく噛んでから飲んだ

頬張る姿はまるで頭を置き去りにした猿か何か

とにかく下等な奴等

手足はもげて千切れ飛んだ

風に乗ってふわふわと遥か彼方へ消えて行くのを

自分でぼんやりと眺めていた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る