異世界蜚蠊

・顔


赤茶のキチン質、長い触角、あまり詳しく描写したくはない。

背中には黒色のプラスチックカバーをかぶせられた電子基板が張り付けてある。

メス。


・体格


5cm  0.03kg

六本の足でカサカサと歩く。

背中の何かによって羽根を広げることはできない。


・経歴


ライバル会社が産業スパイとして送り込んだと思われるゴキブリの一匹、どの過程で変異したのか、あるいは元からなのか、強力な能力を有していた。

細かな実験、観察によるデータは能力により信ぴょう性に問題があり、また未だに産業スパイとしての脅威でもあるため、扱いに困っていた。

今回の戦闘実験では対サイボーグを想定したものだが、繰り返す通り、能力により正しく行われているか不明瞭。


・性格


生態としては飛べない以外は通常のゴキブリと変わらないが、能力からみる限り自信過剰の愉快犯、面白半分で能力を行使し、それを隠そうともしない。


・能力


飛行能力は失っており、ゴキブリとしての機動力も背中に張り付いた電子基板の重さで半減している。それでも触覚による感知能力もあって、人の手ではなかなか捕まえられない。

電脳戦、周囲にあるコンピューターへハッキングできる。有識者によればファイヤーウォールを想定してない独特なコードですり抜けているらしい。その能力を用いてやりたい放題やり、小さなことではデスクトップに自分のドアップイメージビデオを流したり、大きなことでは実験計画を書き直してゴキブリ農場を作ったりしている。また攻撃された場合、自己増殖型のウイルスをばらまいて不可逆的なダメージを与える。

ハッキングの経路は繋がる金属に触れることでも可能で、実験会場の床の金属を通じてシャッターや天井のセンサー類を狂わせ、更には完全パッキングのサイボーグの脳内に侵入し、上記のイメージビデオをループ再生する。


産まれるべきではなかった。

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