第26話 ちんしこはスローモーション03

 隔絶した記憶の、マトリョーシカのように箱に仕舞って仕舞って仕舞い続けたそれを掘り起こす。

 包帯かなにか、ぐるぐる巻きにされていて、取り出された小さなそれには、封印の札すらされている。


 心の奥底の更に奥底の奥底の、もはや誰の手も俺の手も触れられないところの、最深部にそいつはある。



 だのに思い出さなくとも思いだされて、ふかりと突然浮き上がって、俺を困らせて戸惑わせる。




 ちんちんがぎんぎんになって、ちんしこをして射精して、またぎんぎんになってちんしこをして、射精してぎんぎんになってちんしこをして、これ以上繰り返しても詮無いか。






 ともかくちんちんが血を出すほどにしこりあげ、血涙を流すほどに苦しんで、赤玉が転がるのではというくらい、鈴口が痛く腫れ上がった。






 当時のことを話すと、俺はごく普通の中学生だった。

 いわゆる陽キャというほど明るくはないが、それにほど近く、今のような陰キャの相はどこにも無かった。


 ちんしこの闇を抱えており、女子トイレへの侵入を繰り返しており、それが程よく翳となり、女子からの人気だってそれなりにあった。



 友人は多くなく少なくなく、週末は遊びに誘われることもままあり、悪くない生活をしていた。



 問題点があるならば、ちんしこだった。

 ばれるわけにもいかないちんしこ生活は、闇夜に紛れて行われた。


 なるべく校区から外れて、いろんな公衆トイレを制覇した。



 たまには遊びの誘いを蹴って、ちんしこに勤しむこともあって、その時にはクラスメイトに見つかるのを恐れ、恐れを楽しんだ。




 ともかく、俺はちんしこの闇を抱えていたものの、女子にそれなりに人気があり、陽キャというでないがほど近く、確かに順風満帆だった。






 突如としてしかし、俺の前途は瞬間に、まっくらくらの谷底に転落した。






 きっかけがなにかは、よく覚えていない。

 ――というか、多分俺には、きっかけはちっとも知らないことだった。


 俺のクラスには、学年中の、いやもしかしたら学校中のヒエラルキーの頂点の、スクールカースト最上位の女子がいた。



 そいつは一大コミュニティを形成しており、なんの因果か、俺はきっかりそいつに目をつけられた。




 きっかけがなにかは、そいつの胸の中にあるのみで、だから俺は、覚えてないというかちっとも知らないのだ。




 そして、いじめが始まる。

 そいつは女子数人のグループで、俺を弄ぶ。


 陰惨なもので、持ち物を隠されたり捨てられたり、スピリチュアルアタック――要するにしかとをされたりした。



 放課後になると、無闇に教室に残され、そいつは俺を仲間たちと囲んで、蹴った張ったと床に倒れさせた。



 ときには俺は、顔や身体や、股間を踏まれる。

 それは土足だったり、上履きだったり、ソックスだったり素足だったりする。


 恐ろしくて、逃げ出したくて、興奮して、ちんちんがぎんぎんになる。



 床に這った俺などには、ふわふわとスカートの裾が舞って、彼女達のトライアングル地帯が見える。




 それは白と水色の縞だったり、単純に真っ白だったり、大人ぶって黒だったり、際どいローレグだったり、タイツのむこうで恥ずかしそうにしてたりである。




 思春期には、とても毒だった。

 ほんのりと、いい香りもした。


 たまに素足やソックスで踏まれたときには、饐えたみたいなにおいもした。



 俺は女子トイレでちんしこをするやつなので、臭いみたいなにおいは好物で、ちんちんのぎんぎんになるのがはかどった。



 勃起してんじゃねーよ――とは、何度聞いただろう。

 こいつ興奮してんぜ――とは、どれだけ重ねられただろう。


 あたしたちで抜いてんじゃねえの――とは、俺は果たして、精液のにおいでも嗅がれただろうか。



 悔しくて、怖くて、だがそれでちんしこのネタにしないなど、思春期にあり得るものか。




 俺はちんしこマンで、たまには反撃と言わんばかりに、体育の授業の着替えから、履き晒しのニーハイソックスを奪って嗅いで、ちんしこをしたりもした。






 陽キャに近かった俺は、女子人気もそれなりにあった俺は、あっという間に転落、ちんちん複雑骨折の憂き目にあった。






 そしてそれからは、陰キャ街道まっしぐらである。

 友人も女子たちも、俺の側から消え失せた。


 そしてそれからは、暗闇ちんしこ道中まっしぐらである。



 女子トイレで、彼女達のソックスで、上履きで下履きで、ちらちら覗いたトライアングル地帯で、ひたすらにちんしこした。




 真っ裸にされて、放課後の教室で、オナって見せろよなんて、ちんしこ・ショーを開演させられたりもした。




 俺は常に、ちんちんをぎんぎんにさせていた。

 ジュニアは今も節操ないが、当時はもっと節操なかった。


 俺を苦しめた彼女たちに、ご起立遊ばした様子など、披露するいわれもないが、いつも脱がされたときには天を突いていた。



 俺を苦しめた彼女たちに、ご起立遊ばした様子など、披露するいわれもないが、いつも脱がされたときには唾液が溢れていた。



 勃起してんじゃねーよ――とは、何度聞いただろう。

 こいつ興奮してんぜ――とは、どれだけ重ねられただろう。


 あたしたちで抜いてんじゃねえの――とは、俺は果たして、精液のにおいでも嗅がれただろうか。



 悔しくて、怖くて、だがそれでちんしこのネタにしないなど、思春期にあり得るものか。




 俺はちんしこマンで、たまには反撃と言わんばかりに、体育の授業の着替えから、履き晒しのニーハイソックスを奪って嗅いで、ちんしこをしたりもした。






 少女たちに囲まれて、罵詈雑言を浴びせかけられて、ちんちんしこしこ、ちんちんしこしこ、しこしこぴゅっぴゅで、床板にどばどば射精して、教室が多分妊娠した。






 どれだけ辛いか、他人に分かるか。

 どれだけ苦しいか、他人に分かるか。


 ご褒美だなんて、そうかもなのだが、そんなわけないのだ。


 どれだけ辛いか、他人に分かるか。

 どれだけ苦しいか、他人に分かるか。


 そりゃ俺だって、興奮したしちんしこしたが、心はそれでも腐っていった。



 友人はいなくなり、女子たちは近づかなくなり、休みがちになり、成績は落ちた。




 休むたびにそいつは、そいつたちは、俺を決まって迎えに来た。




 あんたにも、いい友達がいるのね。

 あんたの彼女は、どの子なのかしら。


 あらお母様、誰かが彼女になるなんて、恐れ多くてとんでもないわ。



 おめーババアに言っとけよ、精液臭い俺なんか、相手にされるわけねーだろってよ。




 おめー教師に言うんじゃねえぞ、教室の床が精液臭いのは、俺が変態でひとりでしこりましたって言っとけよ。




 どれだけ辛いか、他人に分かるか。

 どれだけ苦しいか、他人に分かるか。


 ご褒美だなんて、そうかもなのだが、そんなわけないのだ。



 どれだけ泣いたか、他人に分かるか。




 死んじまおうかと思って、行きつけの女子トイレにロープを持ち込んで、ちんしこして崩れ落ちたなんて、他人に分かるか。






 ご褒美だなんて、そうなのかもだが、そりゃあんた、作り物の世界だから思うのであって、実際に同じ目に遭うと、勃起するし血が出るまでちんしこするし、ザーメンも死ぬほど発射するが、苦しくて悔しくてたまらないんだ。






 隔絶した記憶の、マトリョーシカのように箱に仕舞って仕舞って仕舞い続けたそれを掘り起こす。

 包帯かなにか、ぐるぐる巻きにされていて、取り出された小さなそれには、封印の札すらされている。

 心の奥底の更に奥底の奥底の、もはや誰の手も俺の手も触れられないところの、最深部にそいつはある。


 だのに思い出さなくとも思いだされて、ふかりと突然浮き上がって、俺を困らせて戸惑わせる。



 ちんちんがぎんぎんになって、ちんしこをして射精して、またぎんぎんになってちんしこをして、射精してぎんぎんになってちんしこをして、これ以上繰り返しても詮無いか。




 ともかくちんちんが血を出すほどにしこりあげ、血涙を流すほどに苦しんで、赤玉が転がるのではというくらい、鈴口が痛く腫れ上がった。






 そして完全に俺の心をへし折った、最低最悪のその事件は、起こるべくしてとうとう起こった。






 当時のことを話すと、俺はごく普通の中学生だった。

 いわゆる陽キャというほど明るくはないが、それにほど近く、今のような陰キャの相はどこにも無かった。


 ちんしこの闇を抱えており、女子トイレへの侵入を繰り返しており、それが程よく翳となり、女子からの人気だってそれなりにあった。



 友人は多くなく少なくなく、週末は遊びに誘われることもままあり、悪くない生活をしていた。



 問題点があるならば、ちんしこだった。

 ばれるわけにもいかないちんしこ生活は、闇夜に紛れて行われた。


 なるべく校区から外れて、いろんな公衆トイレを制覇した。



 たまには遊びの誘いを蹴って、ちんしこに勤しむこともあって、その時にはクラスメイトに見つかるのを恐れ、恐れを楽しんだ。




 ともかく、俺はちんしこの闇を抱えていたものの、女子にそれなりに人気があり、陽キャというでないがほど近く、順風満帆だった。






 俺がなにをしたかって、なにをしたのかなんて、俺はちっともわかんねえんだ――!






 夕日に沈む、放課後の教室だ。

 そいつはいつも通り、俺の眼前の、特等席にいた。


 半泣きの俺は、そいつの仲間に、中でも屈強な女子に、羽交い絞めにされていた。



 背の高く、スポーツ万能な彼女は、おっぱいがバンと張り出していた。




 背中に膨らみを感じて、俺はいつもよりも大げさに勃起していて、そしてズボンを下着ごと脱がされていた。




 びくんびくんと、ジュニアが跳ねる。

 だらりだらりと、ジュニアの唾液が垂れる。


 震えたのが、恐怖なのか、興奮なのか、ないまぜになってわからなくなる。



 蔑むみたいにそいつは笑って、俺のジュニアの様子を眺めて、獲物を定めた蛇みたいに舌なめずりをする。



 あんた、オナってみなよ。

 いつも通りに、要求された。

 スポーツ女子が俺を抱えて、俺と一緒に腰をかがめた。


 スポーツ女子に抱っこされたみたいに、半裸の俺は、教室の床にぺたんと座った。



 ふぐりが床にひっついて、ひんやりと冷気が伝って、ジュニアがまた、大げさにびくびく震えた。



 勃起してんじゃねーよ――。

 こいつ興奮してんぜ――。


 あたしたちで抜いてんじゃねえの――。


 言葉がぐるぐる、回転する。

 視界がぐるぐる、明滅する。


 脳裏にぐるぐる、パンツが焼きつく。



 そいつは机に座っていて、あられもなく脚を開いて、子供みたいに縞々な、可愛いパンツに勃起する。




 スポーツ女子に組み付かれ、おっぱいのふくらみやがしりとした腕や、腰つきや密接した太腿や、吐息やにおいにくらくらやられる。




 勃起してんじゃねーよ――。

 こいつ興奮してんぜ――。


 あたしたちで抜いてんじゃねえの――。



 勃起してんじゃねーよ――。




 こいつ興奮してんぜ――。






 あたしたちで抜いてんじゃねえの――。






 言葉がぐるぐる、回転する。

 視界がぐるぐる、明滅する。


 脳裏にぐるぐる、パンツが焼きつく。



 言葉がぐるぐる、回転する。




 視界がぐるぐる、明滅する。




 まだ当時、俺のジュニアは皮かむりだった。

 巾着状態の先っぽを、割り箸でつままれ、引っ張られた。


 くせーよちゃんと洗えよなんて、笑われて罵られた。



 たまに手コキをされたときには、よほど興奮してめちゃめちゃ勃起したが、トイレ掃除のゴム手袋をされていた。




 ぶっ放したときに巾着袋の、先端をクリップで潰されて、ザーメンが外に出て行かなくて、コンドームみたいにちんちんが膨れて、痛くて泣いて、どろどろ溢れた。




 泣きながら俺はちんしこをする。

 泣きながら俺は興奮していく。


 悔しくて俺はちんしこをする。



 恐がって俺は興奮していく。




 たくさんのパンツに囲まれて、たくさんの蔑む目で笑われて、スポーツ女子の身体つきから、女の性がふわふわ香る。




 そして、いじめが始まる。

 そいつは女子数人のグループで、俺を弄ぶ。


 陰惨なもので、持ち物を隠されたり捨てられたり、スピリチュアルアタック――要するにしかとをされたりした。



 放課後になると、無闇に教室に残され、そいつは俺を仲間たちと囲んで、蹴った張ったと床に倒れさせた。



 ときには俺は、顔や身体や、股間を踏まれる。

 それは土足だったり、上履きだったり、ソックスだったり素足だったりする。


 恐ろしくて、逃げ出したくて、興奮して、ちんちんがぎんぎんになる。



 床に這った俺などには、ふわふわとスカートの裾が舞って、彼女達のトライアングル地帯が見える。




 それは白と水色の縞だったり、単純に真っ白だったり、大人ぶって黒だったり、際どいローレグだったり、タイツのむこうで恥ずかしそうにしたりである。




 思春期には、とても毒だった。

 ほんのりと、いい香りもした。


 たまに素足やソックスで踏まれたときには、饐えたみたいなにおいもした。



 俺は女子トイレでちんしこをするやつなので、臭いみたいなにおいは好物で、ちんちんのぎんぎんになるのがはかどった。



 勃起してんじゃねーよ――とは、何度聞いただろう。

 こいつ興奮してんぜ――とは、どれだけ重ねられただろう。


 あたしたちで抜いてんじゃねえの――とは、俺は果たして、精液のにおいでも嗅がれただろうか。



 悔しくて、怖くて、それでちんしこのネタにしないなど、思春期にあり得るものか。




 俺はちんしこマンで、たまには反撃と言わんばかりに、体育の授業の着替えから、履き晒しのニーハイソックスを奪って嗅いで、ちんしこをしたりもした。




 隔絶した記憶の、マトリョーシカのように箱に仕舞って仕舞って仕舞い続けたそれを掘り起こす。

 包帯かなにか、ぐるぐる巻きにされていて、取り出された小さなそれには、封印の札すらされている。

 心の奥底の更に奥底の奥底の、もはや誰の手も俺の手も触れられないところの、最深部にそいつはある。


 だのに思い出さなくとも思いだされて、ふかりと突然浮き上がって、俺を困らせて戸惑わせる。



 ちんちんがぎんぎんになって、ちんしこをして射精して、またぎんぎんになってちんしこをして、射精してぎんぎんになってちんしこをして、これ以上繰り返しても詮無いか。




 ともかくちんちんが血を出すほどにしこりあげ、血涙を流すほどに苦しんで、赤玉が転がるのではというくらい、鈴口が痛く腫れ上がった。






 ちんちんがぎんぎんになって、ちんしこをして射精して、またぎんぎんになってちんしこをして、射精してぎんぎんになってちんしこをして、永遠みたいにしこしこしこしこ、悔し泣きで枕を濡らして、行きつけの女子トイレにロープを持ち込んで崩れ落ちた。






 それらはそしてリフレインする。

 恐竜の時代の、もっと前の、つい最近のことである。


 そしてそれらは這い上ってくる。



 初めて生物が地上に上がったような、やっとこ呼吸をできたような、苦し紛れのことである。



 あんた、オナってみなよ。

 いつも通りに、要求された。


 ほら、あんた、射精してみなよ。



 いつも通りに、要求された。



 そいつは机に座っていて、あられもなく脚を開いて、子供みたいに縞々な、可愛いパンツに勃起する。

 スポーツ女子に組み付かれ、おっぱいのふくらみやがしりとした腕や、腰つきや密接した太腿や、吐息やにおいにくらくらやられる。


 勃起してんじゃねーよ――。

 こいつ興奮してんぜ――。


 あたしたちで抜いてんじゃねえの――。


 言葉がぐるぐる、回転する。

 視界がぐるぐる、明滅する。


 脳裏にぐるぐる、パンツが焼きつく。



 言葉がぐるぐる、回転する。




 視界がぐるぐる、明滅する。




 まだ当時、俺のジュニアは皮かむりだった。

 巾着状態の先っぽを、割り箸でつままれ、引っ張られた。


 くせーよちゃんと洗えよなんて、笑われて罵られた。



 たまに手コキをされたときには、よほど興奮してめちゃめちゃ勃起したが、トイレ掃除のゴム手袋をされていた。




 ぶっ放したときに巾着袋の、先端をクリップで潰されて、ザーメンが外に出て行かなくて、コンドームみたいにちんちんが膨れて、痛くて泣いて、どろどろ溢れた。




 泣きながら俺はちんしこをする。

 泣きながら俺は興奮していく。


 悔しくて俺はちんしこをする。



 恐がって俺は興奮していく。




 たくさんのパンツに囲まれて、たくさんの蔑む目で笑われて、スポーツ女子の身体つきから、女の性がふわふわ香る。




 勃起してんじゃねーよ――。

 こいつ興奮してんぜ――。


 あたしたちで抜いてんじゃねえの――。



 勃起してんじゃねーよ――。




 こいつ興奮してんぜ――。






 たまには皮剥いて、ちゃんと洗えよ――。






 それらはそしてリフレインする。

 恐竜の時代の、もっと前の、つい最近のことである。


 そしてそれらは這い上ってくる。



 初めて生物が地上に上がったような、やっとこ呼吸をできたような、苦し紛れのことである。



 あんた、オナってみなよ。

 いつも通りに、要求された。


 ほら、あんた、射精してみなよ。



 いつも通りに、要求された。




 悔しかったので、悲しかったので、興奮したので、苦しかったので、俺はいつもよりも我慢した。






 ぶっ放したとき、そのせいなのかいつもよりずっとぶっ飛んで、そして――。






 そして完全に俺の心をへし折った、最低最悪のその事件は、起こるべくしてとうとう起こった。



 ぶっ飛びにぶっ飛んだ俺のザーメンは、そいつの制服に、手に脚に、あろうことか顔にブッかかって――。






 俺はちっとも知らなかったが、竜の逆鱗というのは女の子の顔にあって、ザーメンをブッかけちゃいけないのだ。

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