R.E.C

作者 三宅 蘭二朗

81

28人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

まず切り口がいい。
徹頭徹尾、モンスターは倒すべき魔物ではなく獰猛だけどあくまでも生き物として扱っているのが新鮮な印象と共に、世界の生々しさを感じられた。

その世界観に重みを与えてるのがアゲハとかヤーガとかの小さな生き物。とにかく、ちょっと出てくる生き物もファンタジックでありながらしっかり生き物だ。進化した結果こういう形に落ち着いた、というイメージが筆者の中にきっちりあるのだろうことをうかがわせる。
出てくる生き物が生態系をイメージして配置されてるから、ただの中型モンスターじゃなくて世界に存在する感が出てる。

また、伏線の張り方が手本かってくらい丁寧。
これは読んで体感して欲しい。私はお手本にします。
綺麗な伏線は回収されたときこんなにスカッとするのか、という爽快感がある。

ファンタジー世界に頭から飛び込んで「生きてる」感じを味わいたいなら、ぜひぜひご一読を。

★★★ Excellent!!!

大自然に生息するモンスターたちの生態を撮影するハンターチームの、笑いあり涙ありの奮闘を描いたファンタジー作品です。
そんなキャッチーな設定の物語を盛り立てるのは、能力はあるのにイマイチ成果を上げられない、ちょっとおバカな男たち。

チームの撮影係《シューター》を務める主人公・レックのウィットに富んだユーモラスな語り口は、文字を追っているだけで楽しい気分になります。
「持っている男」と呼ばれる彼ですが、読み進めるうちに気づくはず。
彼が「持っている」のは、悪運とか貧乏くじとか、そういう類のやつなんじゃ……と。

丁寧に作り込まれた設定には息を呑み。
たびたび見舞われる妙なピンチに胸が踊り。
うだつの上がらない、だけどどこか憎めない登場人物たちを、どんどん好きになる。
毎回の更新が本当に楽しみです。

レアな獲物に挑み、ありえないアクシデントに巻き込まれつつも、へこたれずに千載一遇のチャンスを狙う彼らの活躍に、この先も目が離せません!

★★★ Excellent!!!

ヴィズ・ハンター。バリスタと呼ばれる記録装置を手に、決死の覚悟でまだ見ぬモンスターの生態を捉える、危険と隣合わせのお仕事。しかし、主人公が所属するハンターチームは、なにやら前途多難で……。

こういう題材のファンタジー、素晴らしいですね。重すぎず、軽すぎず。現実に根ざした生活があって、人間関係があって。主人公が一歩ずつ次の目標に挑んでいくストーリーを、素直に応援したくなります。

登場人物はみなキャラが立っていて魅力的。格好よさよりは頼りなさが目立つけれど、むしろそこがいい。彼らの気の利いた掛け合いが、本作品の魅力的な雰囲気を作っています。

よく考えられたモンスターの生態と、臨場感のある撮影場面は、好奇心を刺激し、ワクワクさせてくれます。さながら、密着ドキュメンタリーを見ているようです。

文章も安定していて、すっと物語に入り込めます。他の異世界ファンタジーとは一線を画したお仕事ノベル。ぜひ、多くの方に読まれてほしい作品です。

★★★ Excellent!!!

異世界ファンタジー!
それは、竜がいたり、珍しい動植物がいたりと、様々な生態系の元に成り立っていることが前提となる世界だ。
この物語には、しっかりとした王道がある。大地に根ざした世界観と、精緻な設定があるから安心して読み進められる。

ところが、この物語の面白いところは、そこだけじゃあない。むしろ、ここからが本番。
その素晴らしい世界観を丸のまま《ヴィズ》と呼ばれる映像媒体に収めること。そのために、ハンターたちが切磋琢磨して様々な技巧を凝らしているところにある。
余談ではあるが、私はいきもの地球紀行や国営放送のドキュメンタリー番組などを熱心に見ていたこともあり、よりワクワク感が高まるわけだ。


一流……、とは正直言い難いチームの、その中でも少し頼りなげな撮影係《シューター》レック。主人公である彼をはじめとしたチームメンバーは、ユーモラスだがどこかおっちょこちょいだ。個々人は能力値が高めなのに、どこか噛み合わない。
そこで起きたトラブルと、新たに加わる強気の美人シューター。同じ職種の彼女が入って来たことによって、レックは格下げされたような気分になるが……?!


まだ物語は動き始めたばかり! これからの撮れ高に十二分に期待が高まる、ワクワクが止まらないドキュメンタリーファンタジーだ!

★★★ Excellent!!!

最近カクヨム内で出会った小説の中で一番の衝撃を受けました。

この物語に登場する主人公たちはハンターです。
しかしハンターはハンターでも、モンスターの生態を記録するハンター。

その発想と着眼点だけでも驚きなのに、確かな文章力による疾走感と躍動感が相まって、物語の中の彼らが、はたまた彼らが『R.E.C』しようとするモンスターたちの息遣いが、ありありと間近に感じ取れるかのようです。

作者様によると長編になるとのことですので、まだまだ序盤の序盤といったところなのでしょうが、私はすでにこの作品の世界に深く引き込まれました。

彼らの撮れ高がじゅうぶんになっていく様子を、PCのこちら側から長い目で見守りたいと思います。

皆さまもご一緒にいかがですか?