021: 2018/06/30:「何聞いてたの?」/風鈴

そう、居る?」

「んー……」


ちりん、とふうりんの鳴るえんがわで、創がそべっていた。

となりには、冷たい麦茶。


「まさか、6月のうちにけしちゃうなんてね」

「んー……」


創の生返事に、もむっとする。

流海がひらめいたように、意地悪な言葉を書ける。


「今日は優樹ちゃんの部屋で寝るわね」

「んー……えっ、ちょっ!!」


あわてて起きた創に、くすくすと笑う流海。


じようだんよ。何聞いてたの?」

「あ、え、……ごめん」


あせあせに変わり、正座のまま固まる創に、流海も少しばかり申し訳なくなった。

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