絶対小説 ~読めば文豪になれる小説~

作者 海野ハル

85

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★★★ Excellent!!!

否応なしに現実と虚像が入り乱れて侵食されていく恐怖の中に、主人公を誘う謎の女性…文豪を産み出す力は実在するのか、それとも全ては狂気の見せる夢に過ぎないのか?
エンタメの百点満点のような作品です。次章が待ち遠しい!

★★★ Excellent!!!

『絶対小説』。それは百年前に夭逝した伝説の小説家、欧山概念の絶筆となる作品であり、その原稿を所有したものは必ず文豪になれるという……ある晩、居酒屋でそんな話を先輩作家から聞かされた上に、その原稿の実物を見せられた若手ライトノベル作家兎谷三為。

半信半疑で話を聞いていた三為だが、二人が原稿から目を離した一瞬の間に件の原稿が消えたから、あら大変。この一夜をきっかけに三為は『絶対小説』を巡る奇妙な事件の渦中に呑み込まれる。

先輩作家の妹を名乗る謎の少女に振り回されたり、河童の住む集落に紛れ込んだり、闇の出版業界や、狂信的なファン集団「概念クラスタ」などの怪しげな集団に目をつけられたりと、次から次に巻き起こる大騒動。

息もつかせぬ冒険の連続に加え、欧山概念の正体は何者なのかなど、様々な謎が散りばめられており、実にエンタメしていて楽しいのだが、本作で語られるのはそれだけではない。

主人公の兎谷三為は小説家であり、小説を読んだり書いたりするのが本業だ。
彼の視点を通して描かれるのは、企画がなかなか通らない焦燥感、かつて読んだ小説から受けた感動、そして小説を書くことの楽しみ。小説と関わる上で付きまとう苦しみと喜びがしっかりと描かれている。

まさにカクヨムユーザーにはうってつけの一作だ。
 
(四字熟語っぽいタイトル四選/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

小説とはどうあるべきなのか、作者は皆考え、悩んでいる。
それはこの作品の登場人物も同じだ。できるなら良い作品を書きたいと願う主人公も、全ては金のためとうそぶくマクガフィンもそうだろう。
そんな悩める作者たちを惹きつけてやまないのが、読んだものに比類なき文才を授けるという原稿だ。魔術的な力を借りようとも、作者なら世間に拍手喝采される作品を生み出したいと切望している。そんな欲望が、少しづつ主人公を取り巻く世界を侵食しはじめる。
この作品は、プロアマを問わず、およそものを書くすべての人の心に刺さる苦さ、世知辛さに満ちている。作者なら目が離せないだろう。

★★★ Excellent!!!

僕様ちゃん先生を描いている部分の筆致が露骨によいですね。ひょっとすると他の登場キャラクターにもモデルがいるかもしれないので、そういった部分を想像しながら読む楽しみもあるかもしれません、などといったことを僕様ちゃんは思うわけなんだよ

★★★ Excellent!!!

>彼女の口から排出された二酸化炭素と、ぼくの口から排出された二酸化炭素が空気中で混じりあう。

この一文でビビビッとなってしまい、衝動的に☆を3つ投げ入れていました。
ドグラマグラとタグにある通り、徐々に読者も主人公も混沌の渦に巻き込まれていくでしょう。
完結がとても楽しみな作品です

★★★ Excellent!!!

どこか童貞臭さを覚える兎谷三為先生
先輩風をふかすがヘタレそうな文芸オタクの金輪際先生
金輪際先生の妹でオカルトが好きな美人女子大生のナタデココ☆らぶげっちゅさん
独り身金髪姫カット占い師の僕様ちゃんさん

そして、百年前の文豪の欧山概念



まだ1-3までしか呼んでいませんが、この時点で既に魅力的でファンキーな登場人物ばかりです。
この後に出てくるであろう、河童や読者サークルもどんな厄介な人達なのかとても気になりますね。

絶対小説を巡る、童貞臭い兎谷三為先生の物語。
続きを楽しみにしています。