第34話 テレポート? - 点魔法 付与空間 -


 幸せそうに眠っている、ミミとポルを起こさないように、俺は点ちゃん1号をベースキャンプへ向けた。

 やることは多いが、すべきことを早めに済ませ、今日だけは少し休もう。

 そう決めると、これから起こることに備え、いろいろ準備を始めた。


 点ちゃん、今回も大活躍だったね。


『(*´∀`*) えへへ』


 どうやったら戦争をめさせられるんだろうね。


『(u ω u)b どうせ止まらないなら、始まってから止めたらいいんですよ』


 点ちゃん、簡単に言うけどね……。


 ピカッ


 あっ! 

 点魔法のレベルアップ来たか。

 俺の身体が、輝きだす。ミミとポルを起こさないように、体の周囲に黒くしたシールドを張った。

 ふう、相変わらず、凄い光だな。

 しかも、レベルが上がるほど、光が強くなっていくし……。


 あ、そうそう。新しいスキルは、何かな?

 俺は点魔法でぱれっとを出し、スキルと念じる。

 画面に、スキルが表示される。

 今までのスキルの下に、次の文字があった。


 レベル13 付与 空間


 点ちゃん、前にも、空間についてのスキルがあったと思うんだけど、これはどう違うの?


『(・ω・) うーん、実際に見てもらった方が早いでしょう』


 点ちゃんは、床に落ちている緑色の苔を空中に浮かす。

 次の瞬間、それがパッと消えていた。

 あれ? それって、今までも、出来なかった?


『(・ω・)ノ ご主人様ー、後ろ後ろ』


 後ろを見ると、空中にさっきの苔が浮いている。

 何だこれ、一体? 


『(@ω@) なんじゃこりゃー!』


 やっぱり、そう来たか。


 ◇


 俺は点魔法の新能力について、点ちゃんからレクチャーを受けていた。


『(・ω・)ノ ご主人様、レベル10で手に入れたスキル、覚えてますか?』


 あー、レベル11は、付与だから覚えてるけど、そういえばレベル10って使ってなかったな。


『(*'▽') 連結ですよー。映像の転送にはすでに使ってたんですよ』


 えっ!? そうだったの?


『(・ω・)b さっきやったのは、レベル10の「連結」とレベル13の「付与 空間」を組みあわせた技です』


 ええっ!! 組みあわせた? 点ちゃん、凄いな。


『d(*^▽^*)b』


 いや、今回はドヤ顔も納得できる。

 ところで、これって距離は関係あるの?


『(・ω・) 点魔法が届くところなら、距離は関係ありませんよ』


 なるほどねえ。めちゃくちゃ使えそうだね。


『(*'▽')つ お勧めは、あらかじめ点を置いておいて、そこに移動するという技です』


 おっ! さっそくやってみよう。


 三歩くらい離れたところに「空間」を付与した点を設置してと。

 自分にも「空間」を付与した点をつけてと。


 えいっ!


 うは! 立っている位置が、一瞬にして変わるね。これって実質テレポートじゃん。

 あんなところや、こんなところに、行けちゃうのか。


『( ̄ー ̄) また、ご主人様が、いやらしいこと考えてる』


 い、いや、やりませんよ。考えただけ。


『( ̄ー ̄) 本当ですか? 怪しいな~』


 あれ? このやり取り、前にもしなかったっけ? 

 まあ、いいか。


 新しい点魔法のスキルを少し試しただけで、後はグダグダになちゃったな。

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