2010年、印象深かった本

 綾辻行人さんの『人形館の殺人(講談社文庫)』は特殊な文体とホラー的な雰囲気の盛り上げ方が素晴らしく、結末の衝撃もすさまじかった。『十角館』と不幸な出会い方をしてしまったが、その後に読んだ館シリーズはどれも面白く、読書量が増えるにつれ、『十角館』のすごさもわかるようになった。


 倉知淳さんの『星降り山荘の殺人(講談社文庫)』も傑作。注意深く読んでいったはずが、予想外のところに仕掛けられたトリックに完全にやられてしまった。


 多島斗志之さんはすでに書いた通り『海賊モア船長の憂鬱(角川文庫)』も最高だったが、その後『症例A(角川文庫)』、『密約幻書(講談社文庫)』、『CIA桂離宮作戦(徳間文庫)』『クリスマス黙示録(双葉文庫)』と読んだ作品がすべて傑作で大ファンになっていた。

 しかし調べたところ、多島さんは2009年12月に失踪しており、それを知った時の喪失感は非常に大きかった。今でも続報はないものかと気にしている。

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